私は初めて会う中国人には必ずこの質問をされます。
答えはもちろん「日本人」です。
そして私も同じ質問をします。「あなたは何人ですか?」と。
今回はこのことについて考えたいと思います。
その質問の答えは
もちろん中国人に決まっているだろうと思われるかと思いますが、
答えは違います。
答えは皆一応にその人の出身地を答えます。
例えば上海人、北京人、成都人などです。
私たちから見れば出身の違いはあまり気になりません。
なぜなら日本では
出身がどこであるかという事は特に気にする事ではありませんが、
ここ中国では大切な要素の一つです。
私がまだ日本にいる頃は
中国人は単純に全員中国人でしかなかったのですが、
今はどこの出身であるかという事が
とても重要な事であることに気づきました。
上海では一般に上海人と外地から来た外省人に分類しています。
職場雇用の際にも上海人と外省人では条件面で大きく異なります。
他にも、上海人は外国人または外省人と接する場合は
北京語(上海人は普通語と呼びます)を使用しますが、
上海人同士では上海特有の上海語を使います。
上海語は北京語とは異なり、
北京語を勉強中の私にはまったく理解ができません。
私にとってはまったく別の言語に聞こえます。
外省人にとっても上海語を聞き取る事は簡単ではないそうです。
一般に上海人は上海人同士の友人が多く、
結婚する相手も上海人同士が多いです。
また逆の外省人もそれぞれの言葉があり、
出身地同士の仲間意識と結託力はとても強いです。
つまり私から見ればなかなか交わる事はない、
お互いが多くの隔たりを作っているように感じます。
同じ国なのに言語も思考も文化も違うという問題があるとは
思いもしませんでした。
出身の違いを理解する事は容易ではなく、
来た当初はまったくわかりませんでした。
上海に住み、生活するうちに肌で感じた事が多く、
同時にこの問題に無知であった自分が、
中国では外国人である事を強く感じさせる瞬間でした。
私は上海で多くの地域からの出身の友人がいますが、
これを理解し、日本人として活かす事ができたら、
はじめて中国を知る事ができたといえるのではないかと思います。
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