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4.食事会?!

「明日、邱先生と若手の方とでお食事をするのですが、
早河さんもいらっしゃいませんか?」
と秘書の方に言われました。
私は多くの「?」を持ちつつも
「はい!お伺いさせて頂きます。ありがとうございます。」と答え、
震えた手で受話器を置きました。

先ほどの「?」はコラムをご覧の皆様も容易にわかることだと思います。
何故私が明日のお食事会に呼ばれたのか?
食事会とはどういうものなのか?
若手の方とは誰なのか?
そして一番の疑問はそもそも何故自分なのか?です。
その後送られてきたFAXには先生のご自宅の住所と、
今回参加される方のお名前がありました。
そこには邱先生、
アートディレクターでデザイン会社ホノルル社長の西さん、
アパレル会社のロウロウジャパン社長の石河さん、
あと一人と、そしてそのようなメンバーの中でなぜか私の名前がありました。
私以外の全員が社長で、
社長でもなく企業家でもない、ジュエリーデザイナーの私が
このような方々と席を並べてどのような話をすればよいのかもわかりません。
また食事会などにも参加などしたことが無く、
テーブルマナーすらよくわかっていない状態でした。
その日の夜は緊張と不安であまり眠れませんでした。
そして次の日は仕事も手につかない状態で約束の時間になり、
六本木から先生のご自宅へと向かいました。

私は大切なお客様にお会いするときや、
お礼やお祝いの際にいつもユリの花束を持参します。
なぜなら自分の店でも常に生花を絶やすことは無く、
また花を渡されて嫌な顔をされる人はまずないからです。
この日も邱先生にお花をお渡しして、
「君は若いのになかなか洒落たことをする」
などと言って頂けたらなあと、淡い期待と甘い考えを持っていました。
しかしその考えはまったくの見当違いであったということを、
先生のご自宅に入ってすぐに気づかされたのです。

(続く)


2008年8月6日 <<前へ  次へ>>