■柳田洋・北京からの画像便り No.421
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iPhone4狂想曲
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写真は北京の若者の街・三里屯にある
アップルストアです。
日曜日ということもあり、
店内はたくさんの人で賑わっています。
しかし、このアップルストア、
買い物がてらにふらっと入っても、
今年9月に中国でも販売が開始された
スマートフォン・iPhone4を買うことはできません。
iPhone4を買うには、事前にアップル社の
ウェブサイトで予約しなければならず、
アップルストアで商品を受け取る際にも
本人確認のために身分証明書を
提示しなければならないのです。
アップル社が、せっかく自社の製品を
買ってくれようとしているお客さんに
こんな面倒なことを要求するのは、
iPhone4の人気につけ込んで、
商品を大量に買い占め、高値で転売する
ダフ屋を排除するためです。
アップルストアはiPhone4の発売当初は、
店頭での販売を行っていました。
しかし、1回に何台も買うダフ屋が
毎日のように押しかけてすぐに品切れとなり、
一般のお客さんに商品が回らない状態が
続きましたので、
アップル社はダフ屋を排除するために、
1人1台のみのウェブサイトでの予約と
本人確認のための身分証明書の提示を
お客さんに求めることにしました。
しかし、それでもダフ屋が買い付けた
iPhone4の流失は止まらず、
アップルストアでは
定価4990元(6万2000円)で売られている
メモリー容量16ギガバイトの
ホンモノのiPhone4が、
街の電脳街(コンピューター・モール)では
5800元(7万2500円)前後で
売られているのだそうです。
今まで北京のダフ屋は汽車のチケットや
病院の整理券を転売する、
ちまちまとした仕事をしていましたが、
iPhone4の方が大きな利幅が取れることがわかり、
アップルストアに殺到したようです。
商売になると見れば
何にでも飛びつくダフ屋にはあきれますが、
一方でその商売に対する嗅覚や
バイタリティーにはある意味感服します。
撮影日:2010年11月7日(日)
撮影:柳田洋
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