■柳田洋・北京からの画像便り No.317 ■

 

ガソリン価格

左の写真は今回撮った2008年11月、
そして右の写真は2007年11月のガソリン価格です。
それぞれの銘柄で1年前に比べてリッター1元(14.5円)以上、
率にして20%前後高くなっています。
一方、2007年11月時点の原油価格は1バレル95ドル前後。
そして2008年7月に145ドルを超えるレベルまで高騰した後、
世界的な金融危機による景気の減速により、
今では55ドルを下回るところまで下落しています。
原油価格は1年で半額近くまで下がっているのに、
なぜ中国のガソリン価格は20%も高くなっているのか。
考えられる1つの原因は、まだ原油価格が高い時に
仕入れられた在庫が販売されていること。
しかし、日本のガソリン価格は原油価格の下落にあわせて
既にかなり下がっているやに聞いていますので、
未だに下がっていないというのではタイムラグがありすぎます。
となると、中国政府が恣意的にガソリン価格を
高止まりさせている可能性が大きいのですが、
高止まりさせる理由は何か。
1つは昨年原油価格が高騰した時に、中国政府が国内の
インフレ抑制のために製品価格への転嫁をさせず、
大幅減益となったペトロチャイナ、シノペックなど
国有石油会社の経営を立て直すため。
もう1つは増えすぎたマイカーに乗る人を少なくして、
渋滞や大気汚染を抑制すること、ではないかと思われます。
どちらにしても物流会社を営む者としては、
ガソリン価格が下がってくれることを祈るばかりです。

撮影日:2008年11月16日(日)
撮影:柳田洋


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