北京〜天津間を走る、高速列車「神州号」です。
「神州(しぇんじょう)」とは、中国の美称です。
先週、5日間の有人宇宙飛行を成功させて帰還した
中国の宇宙船「神舟6号」の「神舟(しぇんじょう)」も、
当時の江沢民国家主席が、「神州」になぞらえて
つけた名前だそうです。
この「神州号」、最高時速180km/hを出す高速列車として、
2000年に華々しくデビューを飾ったのですが、
実際に運行を始めてから、
北京〜天津間の路線はカーブが多く、
スピードを出せないことが判明、
結局、以前走っていた普通の列車と同じ片道74分で
北京〜天津間を往復しています。
宇宙空間を325万km飛んで、
わずか1kmの誤差で着陸した「しぇんじょう」と、
最高時速180km/hなのに、
スピードの出せない路線に
投入されてしまった「しぇんじょう」。
同じ「しぇんじょう」でもずいぶん違います。
こうした緻密さと雑さが同居しているのが、
今の中国なのです。
撮影日:2005年10月12日(水)
撮影:柳田洋
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