第1436回
マイホーム、マイカー、高年収
先月、上海市民政局が市内の松江新城で
過去最大規模の「婚活博覧会」を開催しました。
この博覧会、
向かい合った男女が話をして、数分ごとに交代していく、
という集団見合い形式で結婚相手を見つける会なのですが、
初日だけで35歳以下の独身男女約1万1,000人と、
子供の結婚相手を探しに来た親たち約4,000人が
集まったのだそうです。
日本にも婚活パーティーのようなものはあると思うのですが、
参加者はあくまでも独身男女本人だけであり、
親が参加することはないのではないでしょうか。
そういった意味では、中国の結婚は日本の結婚よりも
まだまだ親が関与する度合いがはるかに強そうです。
博覧会の集団見合いでは、
手ぶらで来て、ただただおしゃべりをする男性参加者に対し、
女性参加者には男性の情報を熱心に
メモする人が多かったそうです。
彼女たちがメモしているのは、男性のマイホームの有無と年収。
独身参加者の割合は男性が4に対して女性が6と、
男性が比較的有利な状況だったらしいのですが、
そんな劣勢の中でも彼女たちは結婚相手探しに
一切の妥協をするつもりはなさそうです。
マイホーム、マイカー、高年収。
これは現在の中国の女性が結婚相手に求める3条件です。
特にマイホームについては
「結婚して幸せな家庭を築くにはマイホームは不可欠」
という考え方が中国全土に広まっており、
女性本人が要求することも多いようですが、
女性が貧乏な男性を好きになっても、親が
「マイホームも持っていないような男にうちの娘はやれん!」
と結婚に反対するケースも多くあるようです。
しかし、不動産価格が下落し始めたとは言っても、
中国のマンションは大卒で就職して数年しか経っていない
若者の給料で買えるような値段ではありません。
マイホームが結婚条件に入った時点で、
「対象外」となってしまう男性がほとんどなのです。
このため、今、中国では、男性に求める条件が高すぎて、
いつまで経っても結婚できない
剰女(しょんにゅぃー、適齢期を過ぎた未婚女性)が
大量発生しています。
結婚までカネ次第の拝金主義国家・中国。
日本でもバブル経済のときには、女性が結婚相手に求める条件が
三高(高身長、高学歴、高収入)だったわけですから、
よその国のことをとやかく言える立場にはありません。
しかし、この「婚活博覧会」を主催した
上海市民政局婚姻管理所の林克針副所長がおっしゃる通り、
私も中国の剰女たちには
「マイホームや年収など相手の条件ばかりではなく、
男性の人柄にもっと目を向けてほしい」と思います。
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