第1414回
倉庫業、無念の撤退!
2008年に始めたものの、
北京オリンピックや金融危機の影響で借り手が付かず、
昨年、3年目にしてようやく空きスペースがなくなった
当社の倉庫業。
「さぁ、これから今までの投資や損失を回収して、
利益を出して行こう」と思っていた矢先に
ブルジョワジーである土地のオーナーの
理不尽な値上げ要求が始まりました。
当社と土地オーナーとの契約では、土地の賃料は17年間、
毎年定率で上がっていくことになっていましたので、
「契約条件以外の値上げはお受けできません」
と断り続けていたのですが、
何度目かの値上げ要求を断った次の日に、
当社の倉庫に役人が来ていろいろと難癖を付け、
高額の罰金の支払いを言い渡して帰っていきました。
この時点で私は
「あぁ、この郷(しゃん)はみんなでグルになって、
当社を追い出そうとしているんだな」
ということを悟りました。
弁護士を雇って契約を盾に徹底抗戦してやろうか、
とも思ったのですが、
倉庫がある郷は当社にとっては完全にアウェー。
郷政府を敵に回しても勝ち目はありませんし、
運良く裁判に勝って事業を続けられたとしても、
何をされるかわかったものではありません。
倉庫業を始めるときに
「ここの郷長は地回りヤクザ出身で、
ものすごい権力を持っていますから、
一度ご挨拶しておいた方が良いですよ」と言われ、
ご挨拶に伺ったところ、
一番近い大きな街である通州にまで連れて行かれて、
郷長馴染みの海鮮レストランで大接待をさせられた時点で、
何だかイヤな予感はしていたのですが、
そのイヤな予感がこんなに早く現実のものになるとは
思ってもみませんでした。
本当は役人が難癖を付けに来たのは偶然で、
郷が当社を追い出そうとしている、
というのは私の思い過ごしかもしれません。
しかし、思い過ごしでなかった場合、
投資や損失を回収できなかったぐらいでは済まず、
もっと恐ろしいことが起こる可能性が大いにあります。
このため、当社は
倉庫の既存のお客様に迷惑がかからないように、
引き続き営業を続けてもらうという条件で、
土地のオーナーから違約金をもらって
手を引くことにしました。
今回の失敗で私は中国ビジネスについて、
更にいろいろなことを学ばせて頂きました。
今後はその学んだことを活かして中国で儲け、
この借りはきっちりと返させて頂こうと思っております。
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