第1412回
繁盛店閉店に見る中国的資本主義

北京ではお客さんがたくさん入って明らかに繁盛しているのに、
突然、閉店してしまうレストランを見ることがあります。

傍から見ると「あんなに繁盛していたのに、もったいない」
と思うのですが、関係者から話を聞いてみると、
多くの原因はレストランの場所を所有している強欲な大家の、
理不尽な家賃値上げ要求によることが多いようです。

中には無欲で優しい大家さんもいるようなのですが、
強欲な大家はレストランが繁盛すればするほど、
足下を見て大幅な家賃の値上げを要求してくるようです。

「契約更改のときに今までの2倍の家賃を要求された」とか、
「大幅値上げを受け入れたのに
6ヶ月分しか契約してもらえなかった」とか、
ひどい場合には
「契約期間中にも関わらず何度も値上げを要求され、
値上げを受け入れないならすぐに出て行ってくれと言われた」
などということもあるようです。

これでは独立して一国一城の主となった意味がありません。
せっかくがんばってレストランを繁盛させても、
上がりをみんな家賃として搾取されてしまうのでは、
大家の奴隷として働いているようなものです。

中国では大家が圧倒的な力を持っています。

中国の店子には日本のような
居住権や借家権といったものは保障されていないらしく、
大家が「次回の契約から家賃は2倍だ」
と言えば2倍払うしかなく、
「払えないなら出て行ってくれ」と言われれば、
出て行くしかないようです。
中国と日本、もうどちらが社会主義国家で
どちらが資本主義国家なんだかわかりません。

これは賃貸住宅についても同様で、
こうした借家人の権利が保障されていないことも、
中国の人たちの持ち家至上主義に
拍車を掛けているようです。

持てるブルジョワジーは搾取し尽くし、
持たざるプロレタリアートは搾取され尽くす、
スーパー資本主義国家・中国。

命がけの闘いの末に
中国で共産主義革命を成し遂げた毛主席が、
今の中国を見たらどんな感慨を抱くのでしょうか。


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2011年10月24日(月)

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