第1367回
中国BOPマーケットを切り拓く「2元ショップ」

インフレによる物価高で、
ますますきつく締まる
中国国民の大多数を占める
「時間はあるがカネはない」族の財布の紐。

そんな中、私が最近注目しているのは
「2元(25円)ショップ」です。
なぜなら私はBOP(Base of the Pyramid)ビジネスの
基本は「小分け」だと認識しているからです。

北京には日本の「100円ショップ」のような
大資本のチェーン店はないのですが、
個人経営の「2元ショップ」は至るところで見かけます。

それらがチェーン店でもないのに、
必ず「2元ショップ」なのは、
「1元(12.5円)ショップ」だとロクな品質のモノを置けず、
かと言って「3元(37.5円)ショップ」だとお得感がないので、
2元均一というのが最もバリューを出しやすいためだと思います。

北京の物価はだいたい日本の1/4程度ですので、
そう言った意味でも「2元ショップ」は
日本の「100円ショップ」と同じようなお得感を
消費者に与えるのでしょう。

デフレの日本で大きく成長した「100円ショップ」。
しかし、このビジネスモデルは、
むしろインフレに苦しむ今の中国で展開してこそ、
大きな意義があるのではないかと思います。

雑貨でも野菜でも飲み物でも、
何を買っても1個2元の「2元ショップ」。

仕入れは中国の中でも所得水準が低い内陸部の農村か、
ラオス、ミャンマー、バングラデシュなど、
中国より所得水準が低い近隣諸国で行い、
1個2元とは思えないバリューを出します。

そして、これを中国でチェーン展開すれば、
インフレによる物価高で苦しむ
BOPのみなさんの熱烈な支持を得て、
国民の圧倒的多数を占める
彼らの固い財布の紐を緩ませることが
可能となるのではないか、と思います。

そして更に、BOPのみなさんが将来、
中国の成長と共に中産階級にランクアップして
購買力が増したとき、中国人なら誰でもが知っている
この「2元ショップ」チェーンのブランドは、
絶大な力を発揮するのではないか、
と私は思います。


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2011年7月11日(月)

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