第1346回
増える富裕層、拡大する高級品市場
先日、中国の富豪の資産を独自に調査している
イギリス人・胡潤(ふーるん、フーゲワーフ)氏が
「2011胡潤財富調査」を発表しました。
この報告によれば、
中国で1,000万元(1億3,000万円)以上の
資産を保有している富豪は96万人で、
前年同期比9.7%増となったそうです。
この96万人の平均年齢は39歳、男女比は7:3、
地域別では北京市が17万人でトップ、
2位が広東省、3位が上海市、
職業別では1位が企業経営者で55%、
2位が不動産投資家で20%、
3位が証券投資家で15%とのことでした。
また、上記富豪の内、
1億元(13億円)以上の資産を保有している大富豪は
6万人と前年同期比9.1%増加し、
平均年齢は43歳だったのだそうです。
日本には1億円以上の資産を保有している富裕層が
150万人いると言われていますので、
中国の富豪の基準を770万元(1億円)に引き下げたとしても、
まだまだ日本人の方がお金持ちが多そうです。
しかし、中国には表には出てこない資産を持っている人や、
政府機関や国有企業で公費や経費を
自由に使える人がたくさんいますので、
実際の富裕層の購買力という観点から見れば、
中国は既に日本を上回っているのかもしれません。
実際、今の中国には
「あんた、どんだけカネ持ってるんだ」と言いたくなるような
お金の使い方をする人がたくさんいます。
2010年、中国におけるイタリアのスポーツカー・
フェラーリの販売台数は前年比50%増加、
同じくイタリアのスポーツカー・ランボルギーニに至っては
前年比3倍に増えたのだそうです。
また、フランス・ルイ・ヴィトンのハンドバッグ、
フランス・エルメスのスカーフ、
スイス・オメガの時計の売上も急増しているそうです。
中国商務省の陳徳銘大臣は
「中国は現在、世界第2位の高級品市場だが、
このまま拡大を続ければ2015年までに
日本を抜いて世界第1位に躍り出るだろう」との見通しを示し、
アメリカのコンサルティング会社・マッキンゼーは
「中国の高級品市場は今後5年間に2倍以上に拡大し、
270億ドル(2兆3,000億円)に達するであろう」としています。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで増える中国の富裕層と
拡大する高級品市場ですが、
こうした状況を最もビクビクしながら見守っているのは、
他でもない、改革開放政策で富裕層を作り出した張本人である
中国政府なのではないでしょうか。
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