第1339回
渋滞を引き起こす自分勝手な運転

世界一交通渋滞がひどいと言われる北京。

こうした事態を受けて北京市政府は、
マイカーの増加率を抑えるため、
今年のナンバープレートの発行枚数を24万枚と、
昨年の新規登録台数の1/3以下に制限する、
という強烈な政策を打ち出しました。

この政策によりマイカーの増加率が鈍化し、
拡幅工事など道路の整備が追いついてくれば、
北京の街の渋滞も幾分は緩和されるものと思われますが、
それと同時に行わなければならないのが、
交通マナー教育なのではないかと思います。
なぜなら、北京の街にはマイカーの多さとは関係なく、
自分勝手な運転をするドライバーによる「人災」的な渋滞が
そこここで起こっているからです。

よく発生しているのが、信号のない交差点で
四方からの直進車両、左折車両が入り乱れて、
どの車も身動きが取れなくなって
渋滞を引き起こしているパターンです。

日本ではこうした
信号の無い交差点での進行ルールについては、
「広路優先」とか「左方優先」など
教習所の座学で徹底的に教えられますが、
中国ではそうした教育は無いらしく、
「先に車の鼻先を突っ込んだ方優先」が
暗黙のルールとなっています。

四方八方から来る車が「先に車の鼻先を突っ込んだ方優先」で
競って車の鼻先を突っ込み、後ろの車が車間を詰めてしまえば、
誰も身動きが取れなくなるのは当たり前です。

その他にも、
道に迷うと道の真ん中で止まって考え始めるドライバー、
片側一車線の狭い道にも関わらず、
何度も切り返してUターンをするドライバー、
ぶつかってもケガをしないように、という理由からか、
車の流れを無視して何しろゆっくり走るドライバー、
などなど、
北京の街には自分勝手な運転で
渋滞を発生させているドライバーがたくさんいます。

問題はこうした渋滞を引き起こす自分勝手な運転は、
マナー違反ではあっても法律違反ではないので、
警察は取り締まることができず、
「交通マナーを守りましょう」と
ドライバーの良心に訴えるしかないことです。

まずは全てのドライバーに対して、
徹底した交通マナー教育をする必要があると思われますが、
それでもダメであれば、
交通違反に「渋滞誘発」という項目を加え、
他の違反と同じように点数と罰金で罰するぐらいしないと、
いくら車の数を減らしても、北京の街の渋滞は
いつまで経っても解消しないのではないか、
と私は思います。

 





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2011年5月6日(金)

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