第1318回
飛行機が渋滞する北京首都空港
最近、北京首都空港で飛行機に乗ると、
離陸まで機内で30分、
ひどいときには1時間近く待たされます。
原因は飛行機の渋滞です。
北京首都空港は滑走路が3本もあるのですが、
どの滑走路も離陸便と着陸便のスケジュールが
その能力以上にぎゅうぎゅうに詰め込まれており、
離陸便は飛行機の長い行列に並んで、
離陸の順番を待たなければならないのです。
このため北京首都空港で飛行機に乗って、
一眠りした後に「どの辺を飛んでいるのかな」
と思って窓の外を見たらまだ地上だった、
などということもありました。
北京首都空港の飛行機の渋滞は、
速いのが売りの飛行機のフライト時間を30分から1時間、
全く無駄に長くしてしまっているのです。
この素人目に見ても、
明らかに能力が足りない北京首都空港ですが、
監督官庁である中国民用航空局の局長も
「北京首都空港の逼迫した毎日のスケジュールには、
1便でさえ追加する余地はない。
北京に第2の主要空港を建設するのは緊急課題だ」
と言っています。
そうした声を受けて、先日、
北京市の郭金竜市長は市政府活動報告で、
市の南部に首都第2空港を建設する準備作業に
着手することを発表しました。
具体的な場所は発表されていませんが、
新聞報道によれば市南部に位置する
大興区礼賢鎮などが建設候補地に挙がっており、
大興区長は「空港建設とともに、
航空関係の新興産業を発展させ、
新航空都市を整備する」と早くもやる気満々です。
北京首都空港は 昨年、利用者数が7,390万人に達し、
アメリカのアトランタ空港に次いで
世界第2位になったのだそうです。
北京市人民代表大会に上程された
第12期5カ年計画案(2011-2015年)によれば、
首都第2空港は年間4,000万人の利用者に
対応することができる規模になる見込み、とのことですので、
第2空港ができれば、北京首都空港の飛行機の渋滞は
随分緩和されることが予想されます。
しかし、第2空港の完成は「今後5年以内に」とのこと。
北京首都空港の利用者数が、
毎年、1,000万人前後増えていることを考えると、
第2空港ができる5年後には、
今度は第3空港の建設を始めなければ
間に合わないかもしれません。
どちらにしても北京首都空港で飛行機に乗る場合、
当分の間は30分から1時間の飛行機の渋滞を
覚悟しなければならないようです。
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