第1252回
日本の電動バイクと中国の電動自転車

今、世界の自動車業界では消費者の環境意識の高まりから、
ガソリン車からハイブリッド車、
そして電気自動車へと時代が大きく動いています。
それはバイク業界でも同じであるようで、
日本のオートバイメーカーは競って
電動バイクを売り出し始めているようです。

先月、ヤマハ発動機は
下の写真の電動バイク「EC-03」を発売しました。

「EC-03」はオートバイなのに騒音、排気ガスを一切出さず、
6時間の充電で43kmの走行が可能。
お値段は同クラスのガソリンバイクより、5-10万円安い
25万2,000円に設定して割安感を打ち出したのだそうです。

ヤマハ発動機は2012年末までに
電動関連の技術に80億円を投じる予定で、
同社の柳社長は「世界でトップシェアを目指す」と
意気込んでいるそうです。

また、オートバイ世界最大手のホンダも、
今年の12月から日本国内で電動スクーター「EV-neo」の
リース販売を始めるのだそうです。

騒音や排気ガスを一切出さないオートバイ。
地球環境保護の観点から見ても、すばらしい製品です。
日本のオートバイメーカーには、
ぜひこの電動バイクを世界に普及させて頂きたいと思います。

いや、ちょっと待てよ。
この電動バイク、どこかで見たような気が...。

そうです。
中国にはオートバイのガソリンエンジンを
電動モーターに積み替えた電動バイクはありませんが、
自転車に電動モーターを付けた電動自転車は
もう5年以上も前からたくさん街を走っているのです。

値段も高額なオートバイからの乗り換え需要ではなくて、
200元(2,500円)で買える
自転車からの乗り換え需要狙いですので、
2,000元(2万5,000円)前後と、
今回日本で売り出されたヤマハの電動バイクの
1/10の価格で売られています。

もしかすると、日本メーカーの電動バイクと
中国の電動自転車では性能が違うのかもしれません。
しかし、中国の電動自転車もリミッターをはずせば、
時速30km以上はゆうに出せると言われており、
日本でもガソリンバイクの代替として走らせることは
問題無いように思います。

10倍もの価格差があると、
中国の電動自転車を日本や
その他の国々まで運ぶ運賃を加算したとしても、
かなりの利幅が取れそうです。
日本のオートバイメーカーの電動バイクに
世界的に大きな需要があるのであれば、
中国の電動自転車の輸出は今後、
ものすごく良い商売になるかもしれません。


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2010年10月18日(月)

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