第1228回
希望小学校に見た豊かさの波
先日、私、
河北省承徳にある北京日本人会希望小学校に
毎年楽しみにしている、
通訳ボランティアのために行ってきました。
希望小学校とは、
貧困地域の子どもたちに就学機会を与えるために、
寄付によって作られる小学校です。
この河北省承徳の希望小学校は、
1997年に北京日本人会の寄付により建てられました。
北京日本人学校の先生方は、
毎年、北京日本人会希望小学校に行って、
ボランティア授業を行ってくださいます。
北京日本人学校の先生方は一生懸命、
中国語で授業をしようとしてくれるのですが、
着任後まだ数ヶ月で、
中国語をあまり話せない先生もいらっしゃいますので、
北京日本人会が毎年、
通訳ボランティアを会員の中から募集して、
先生方と一緒に希望小学校に行って
子どもたちとの間の通訳をしているのです。
私は2007年に始めてこの学校に
通訳ボランティアとして行き、
2008年は北京オリンピックの影響で
ボランティア授業自体ができなかったのですが、
昨年2009年、そして今年2010年と
3回目の訪問となりました。
子どもたちが私の顔を覚えていて、
再会を喜んでくれたのには感動しましたし、
3年前は小さな小学生だった子が、
今では立派な中学生に成長しているのを見るのも、
たいへん嬉しく思いました。
更に今年は、北京の高校で
中国語で授業を受けている我が家の長女も、
通訳ボランティアとして参加し、
先生方が言うことを非常に正確に
中国語に通訳していました。
娘は今度高校2年生になりますので、
半年間の中国語特訓期間も含めて
1年半しか中国語で授業を受けていないのですが、
14年半にわたって中国語を使って仕事をしている
私の中国語能力を、早くも上回りつつあります。
彼女の中国語の上達ぶりを見ると、
やはり、語学は頭が柔らかい
若いうちに勉強するに限るな、と思います。
さて、今回、希望小学校に行って感じたのは、
子どもたちとその家庭が
3年前よりも明らかに豊かになっている、
ということです。
子どもたちの服装も3年前よりは
ずいぶんと垢抜けてきています。
更に、胡さんという女の子が
きれいな貝殻の腕輪をしていたので、
私が「その腕輪きれいだね。どこで買ったの?」
と訊いたところ、
「この間、家族旅行で大連に行ったときに買ったの」
という答えが返ってきてビックリしました。
大連に家族旅行...。
この村はもはや、
貧困地域ではないのかもしれません。
もちろん、北京や上海などの大都市と比べれば、
中国の農村部はまだまだ貧乏です。
しかし、豊かさの波は、河北省承徳の農村にも
じわりじわりと伝わってきていることを、
今回の訪問で感じました。
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