| 第1222回親のスネかじり「80后」と苦労人「70后」
 私の会社の事務所が入っている幸福大厦でエレベーターに乗ると、
 どう見ても20歳台の若造が乗ってきて、
 マイカーのキーでエレベーターのボタンを
 押すのを見ることがよくあります。
 マイカーのキーでエレベーターのボタンを押すのは、「エレベーターのボタンは
 いろいろな人が触って不衛生だから」
 ということもあるのでしょうが、
 「オレ、マイカーで出勤してんだぜ」
 ということを見せびらかしたい、
 という気持ちもあるのでしょう。
 どちらにしても嫌な感じです。
 しかし、大学を卒業して働き始めたばかりの若造が、なぜマイカーを買えるのか?
 以前から不思議だったのですが、
 やはり、若造の背後には親の援助があるようです。
 先日、米マイクロソフトのポータルサイト・MSN中国語版が、
 マイカーを持つ1万人のホワイトカラーを
 対象に行った調査によれば、1980年以降に生まれた、
 いわゆる「80后(ぱーりんほう)」の世代では、
 実に72.5%がマイカー購入の際に、
 親に購入費用を援助してもらっていた、
 という結果が出ました。
 同調査によれば、回答者の平均月収は約8,000元(10万4,000円)。
 購入したマイカーは9割が
 排気量1,300〜2,500ccの中小型車ですが、
 購入価格は10-15万元(130-195万円)。
 年収の1.0-1.5倍の値段ですから、
 「80后」の20歳台の若造の給料だけでは、
 かなり無理があるのでしょう。
 また、「80后」は、一人っ子である上に、改革開放政策で豊かになっていく中で
 子ども時代を過ごしましたので、
 両親と4人の祖父母の合計6つのポケットから、
 惜しみなくおカネをつぎ込まれて
 甘やかされ放題で育てられた、と言われる世代ですが、
 今回の調査で、社会人になってもまだ、
 親のスネかじりをしていることが判明しました。
 一方、「80后」の一つ上の世代、現在30歳台の「70后」の人たちは、
 同じ調査で75.0%が
 「全額自分で支払った」と回答しています。
 もちろん、30歳台になって給料も上がり、「80后」よりも経済的な負担力がある、
 ということもあるのでしょうが、
 「70后」の親の世代は文化大革命で学生時代に
 まともな教育を受けられなかったために貧乏な人が多く、
 親のスネをかじりたくてもかじれない、
 という事情もあるのではないかと思います。
 親のスネかじり「80后」と苦労人「70后」。 何かと話題に上る「80后」に対して、あまり目立たない「70后」ですが、
 私個人的には、苦労人「70后」には、
 苦労の末に大きな幸せを掴み取ってほしい、
 と心から願っています。
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