第1206回
「淘宝網」のお店、ついに閉店!

破竹の勢いで伸びる中国のネット販売ですが、
私が「淘宝網」に開いたアクセサリー店は
結局、1つも売れることなく、
この度、残念ながら閉店をすることに致しました。

閉店するといっても、閉店の手続きなどする必要はなく、
放っておけばお店は自動的に閉店に追い込まれます。
「淘宝網」は商品を店に並べても、
一定期間が経つと商品は自動的に倉庫に引っ込んでしまい、
またいちいち手動で店に並べ直さなければいけません。
この、店に並べる作業を怠って、
並べている商品の数が10個を下回る期間が続くと
お店は自動的に臨時休業。
そして、臨時休業した状態を更に放置しておくと、
強制的に閉店させられます。

これは頻繁にメンテナンスをしないお店を自動的に排除し、
やる気のある優良店だけを残して、
消費者の信頼を得るための「淘宝網」のシステムです。
「淘宝網」の消費者の信頼を得るための
様々なシステムには最後まで感心させられました。

しかしながら、
これだけ中国のネット販売が伸びているのに、
なぜ私のお店の商品は全く売れないのか?

これは、「淘宝網」が消費者の信頼を
得るためのシステムを完備しているにも関わらず、
多くの消費者はやはり心のどこかで
「だまされたらどうしよう」という
不安を持っているからなのではないかと思います。
このため、買っている人が多かったり、
買った人の評価が高いほんの一握りのお店の商品は
どんどん売れるようになり、私のお店のように
誰も商品を買っていないほとんどのお店には、
いつまで経っても人が寄り付かないのです。

そう言われてみれば、
私も「淘宝網」でモノを買うときには、
買いたい商品を売れている順に並び替え、
一番売れているお店から買うようにしています。
先日、「淘宝網」で、全く売れていないのにも関わらず、
大量に売れているように偽装していたお店約2万店が、
強制的に閉店させられた、というニュースがありましたが、
そんなことでもしなければ、後からお店を開いた人が
勝ち組のスパイラルに入るのは難しいのでしょう。

今月初めから、ヤフーと淘宝による、
日中ネット販売相互乗り入れが始まり、
日本の中小企業が日本にいながら
中国マーケットを開拓するための、
インフラが整備されました。

しかし、一足お先に失敗した私に一言言わせて頂けるならば、
インフラを提供するだけでなく、
売れるお店にするための強力なサポートがなければ、
生き馬の目を抜く「淘宝網」で日本の中小企業が
中国の人たちにモノを売るのは、
至難の業なのではないかと思います。


←前回記事へ

2010年7月2日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ