第1120回
仁義なき戦い 北京死闘篇

時は2009年。
2012年の現会長の任期切れまであと3年を切り、
全国組織・共産会の次期会長の座をめぐる跡目争いは
熾烈を極めていた。

共産会の現会長は共産会の二次団体、
共青会のトップである胡が務めている。

胡は共産会の次期会長は同じ共青会の若頭である
李に継がせるつもりでいた。
しかし、2年前の共産会全国親分会議で、
共産会の前会長であり
二次団体・江組の組長である江から圧力がかかり、
江組の若頭である習を
共産会の次期会長に最も近いポストである
共産会の若頭にすることを認めさせられたのだ。

江組の攻勢はこれに止まらなかった。

今年の共産会全国親分会議では、
江組は慣例に従い、共産会の若頭である習に、
共産会武闘部の副部長を
兼任させることを要求してきた。
共産会最大の権力基盤である
武闘部の副部長に習が就任することは、
習が共産会の跡目を継ぐことが
確定することを意味する。

しかし、胡もやられっぱなしではなかった。

「慣例じゃけぇゆって、
習を共産会武闘部の副部長に自動的に
就任させるなぁ民主的じゃぁないのぉ。
拙速は慎んで、もっとじっくりと
全国の親分衆の意見を聞くべきじゃなぁんか」
と会議に参加した親分衆を水面下で説得し、
習の武闘部副部長就任を阻止したのであった。

ただ、武闘部副部長就任を阻止しても、
習の次期共産会会長就任の流れを
変えることはできなかった。
そこで胡は、狙いを変え、
共青会の若中である胡春華を
2022年に決まる次の次の共産会の会長に据え、
共青会の復権を目指すことにしたのだった。

(続編、乞うご期待)


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2009年12月14日(月)

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