第1072回
不景気で人気急上昇の「牛奮男」とは
今、中国では「牛奮男(にゅーふぇんなん)」を
恋愛の対象として選ぶ若い女性が増えているそうです。
「牛奮男」とは、金持ちでなくても頼りがいがあり、
出世欲には乏しいが家庭のためにもくもくと働く男性のこと。
その忠誠心や一途さが愚直に奮闘する牛のようなので
この名前が付いたのだそうです。
ネット上では
ある「網民(わんみん、ネット市民)」の少女が、
最近知り合った70年代生まれの男性が、
今話題の「牛奮男」だと気付き、
「自分はとても幸せだと思いました」と告白。
他の「網民」は「「牛奮男」はリスクが低くて
安全性の高い債券のようなものだ」と
「牛奮男」を絶賛しています。
これに対し、景気が良かった時にはもてはやされた、
金持ちでルックスも良い、いわゆる「ダイヤモンド男」は、
リスクが高いということで敬遠されているのだそうです。
不景気になると
就職先はリスクの高い外資系より、
絶対にクビにならない公務員に、
投資先は大損する可能性もある株式より、
安全確実な債券に人気が集まるのですが、
恋愛の対象まで安全重視になるとは思いませんでした。
しかし、良く考えてみれば、
日本でも一足先に同じことが起こっていました。
1980年代後半、バブル経済絶頂の時に
多くの若い女性が結婚相手として望んだのは、
流行語にもなった「三高男」。
つまり、高学歴、高収入、高身長の男性でした。
しかし、バブル経済が崩壊し長い平成不況に入った後は、
「三低男」がもてるようになりました。
「三低男」とはさすがに
低学歴、低収入、低身長の人のことではなく、
低姿勢(女性を大切にする)、
低リスク(公務員などリスクの低い安定した職業)、
低依存(束縛しない、お互いの生活を尊重)
の男性のことだそうです。
どこの国でも景気の良し悪しによって、
女性が求める理想の男性像は変わっていくんですね。
しかし、中国のネット上では
別の「網民」の少女がブログの中で
「「牛奮男」はこれからも一生「牛奮男」。
もし、彼の将来に希望が持てないなどの理由で
あなたの心が一変すれば、
彼への愛は一瞬で崩れ去ってしまうかもしれない」
とつづっています。
景気が回復すれば「やっぱり「ダイヤモンド男」と
高級レストランに行ったり、海外旅行に行ったりしたい!」
となるかもしれないよ、ということです。
こうやって考えてみると、
やはり、相手の条件などは気にせず、
景気が良かろうが悪かろうが
心から好きでいられる人と結婚するのが、
一番幸せになれる方法なのかもしれません。
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