第1023回
中国には格差問題はない!?
中国には格差問題はありません。
こんなことを言うと、
また「おまえは中国のジニ指数が
0.5に近いのを知らないのか」とか、
「格差によって毎年9万件も暴動が起こっているのを
知らないのか」などと言われそうですが、
これは事実です。
確かに中国には格差はありますが、
それは問題ではありません。
問題があるとすればそれは貧困問題であり、
これについては中国政府は
万全の対策を打つ必要があると私も思います。
しかし、私は大きな付加価値を生み出せる人には、
どんどん金持ちになってもらって
貧乏人との格差を広げてもらった方が、
延いては中国の将来のためになると思っています。
そもそも、30年前に
「みんな同時に貧乏になることはできるが、
みんな同時に豊かになることはできない」
という事実に気付いたケ小平が、
富むことのできる者から富ませるという
「先富論」に基づいて改革開放政策を始めた時点で、
現在の格差は既に織り込み済みであったはずです。
更に、毎年9万件発生している暴動も、
その多くは格差があるから発生しているのはではなく、
役人が汚職によって私腹を肥やしたり、
無茶苦茶な行政によって
個人の命や財産を侵すから発生しているわけであって、
いくら貧乏人でも役人が人民のためを思って
一生懸命働いてくれているのなら、
役人を襲おうなどという発想にはなりません。
私は以前、中国の農村に行って
農民の方々とお話をしたことがあるのですが、
その時に「テレビに北京や上海の
贅沢な暮らしをしている人たちが映りますが、
おカネがあったらみなさんも大都会に行って
ああいう生活をしたいと思いませんか?」という
ちょっと意地悪な質問をしたことがあります。
私は当然みんな都会の金持ちの贅沢な暮らしに
あこがれと嫉妬がない交ぜになったような
複雑な感情を抱いていると思っていたのですが、
農民のみなさんの答えは
「都会の生活は慣れないから、
いくらおカネがあってもずっとこの村で暮らしたい」
という実にあっさりとしたものでした。
彼らにとって、大都会の金持ちの贅沢な暮らしは
全く別世界のできごとであり、
金持ちを妬む気持ちは日本人に比べて
非常に薄いと感じました。
彼らは「去年、水道が通って、
水を汲みに行かなくて済むようになった」とか、
「おカネを貯めて来年洗濯機を買ったら、
家事が随分楽になるな」とか、
そういった去年より今年、今年より来年の生活が
少しずつでも良くなっていけば、
それで十分満足なのです。
普通にしていれば中国の農民は羊のようにおとなしく、
多少貧乏でも黙々と毎日畑を耕しているのです。
にも関わらず、自分がエラいと勘違いをしている
地方のバカな共産党員が、
寝た子を起こすようなことをして暴動を誘発し、
国内を不安定にしているわけですから、
共産党中央が怒るのも無理はありません。
中国では「格差」よりも、
「地方のバカ党員」の方が
ずっと大きな社会問題なのです。
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