第982
時給10元の大卒フリーター

中国で職がなくて困っているのは
農民工だけではありません。
大卒者の就職戦線も超が付く氷河期を迎えています。
日本でも景気の後退により、内定取消が続出する
就職氷河期に入っているようですが、
中国の就職戦線はもっと状況がひどいようです。

中国では国民の高学歴化政策を進めており、
現在大学進学率は23%まで上昇、
2020年には40%に達することが予想されています。
この急激な大学進学率の上昇により、
大学卒業者は年々急増している一方、
企業側の大卒者需要は追いつかず、
2007年の好景気の時でさえ
大卒の就職戦線は既に氷河期でした。

そして、今年中国で大学を卒業するのは611万人。
昨年以前に卒業をしたのに
就職先が決まっていない大卒者が
全国で400万人いると言われていますので、
今年の大卒の求職者数は1000万人以上。
これに対して、世界的な金融危機による景気の減速で、
各企業は大卒者の採用を
少なくすることが予想されていますので、
今年の大卒者の就職戦線は
昨年以上の超氷河期となることが必至です。

こうした状況の中、昨年11月末に行われた
2009年度中国国家公務員試験第1次試験では、
採用予定1万3566人に対し、
受験者数は前年より13万人も多い77万5000人、
競争率57倍の狭き門となりました。

景気が良かった時代、
大卒者に人気の就職先は、
雇用は保証されていなくても、
実力次第で高給をもらえる欧米系企業でしたが、
今や「鉄飯碗(てぃえふぁんわん、
落としても割れない鉄の茶碗)」と呼ばれ、
給料は安くても、絶対にクビにならない
国家公務員に人気が戻ってきているようです。

この大卒者の就職超氷河期は、
当社のような中小企業にとっては非常にありがたいことです。
以前ならいくら高い給料を提示しても
来てくれなかったような優秀な人材が雇えますし、
就職先が決まっていない大卒フリーターを
安く雇うことも可能になっています。

当社でも先月から2人の大卒フリーターに来てもらい、
トランクルーム「我・的・空・間」の
セールス活動を手伝ってもらっています。
2人とも非常に優秀ですが時給は10元(130円)。
フルタイムで来てもらっても
月1700元(22000円)ほどのコストで済みますし、
仕事の実績が上がらなければ、
翌日から来てもらわなければ良いだけの話です。

優秀な人材を確保して事業を飛躍させたい中小企業にとって、
今回の景気の減速や大卒者の就職氷河期は
むしろ絶好のチャンスとなるのかもしれません。


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2009年1月26日(月)

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