第979回
本当に「健全な」日中関係とは

日本が中国への依存度を下げて
「いつ断交しても良い状態」にすることは、
中国にケンカを売るためではありません。
むしろ、中国とうまくやっていくためには
そうすることが不可欠なのではないかと思います。

特に中国という国は
しっぽを振って寄ってくる国に対しては、
表面上は熱烈歓迎しますが、
心の中では蔑むようなところがあります。
対等な関係でうまくやっていくためには
「いつ断交しても良い状態」になって、
「断交したらどちらが困るんですか。私は全く困りません」
と言える立場に立つことが必要なのではないかと思います。

実際、中国の外交政策を見ていると広く浅くを心がけ、
特定の外国への依存度を下げることによって
自国の立場を強くしようとしているように見えます。

日本にとっては「日米関係」と「日中関係」が
外交関係の中で大きな位置を占めていますが、
北京に住んでいると、中国にとっての日本とは
世界の国々の中のほんの「ワンノブゼム」に過ぎない
ということを強く感じます。
日本にとっての中国と、中国にとっての日本では、
その位置付けに大きな差があるのです。

私は中国に来たこともなく、
中国人と話したこともないのに
やたらと中国を毛嫌いする日本人もどうかと思いますが、
手放しで盲目的に「日中友好」を唱える日本人にも
強い違和感を感じます。

中国とは協力できる部分は協力していくが、
一方で国策として中国への依存度を下げ
「いつ断交しても良い状態」にする。
右手で握手をしながら、
左手ではお互いの腹に刀を突き付ける。
これが本当の意味での
「健全な」日中関係なのではないかと私は思います。


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2009年1月19日(月)

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