第950回
非効率な国・中国

中国はどんどん近代化が進んでいるとはいえ、
日本と比べるとまだまだ恐ろしく効率の悪い国です。
日本では1人でできるであろう仕事を、
3-4人から5-6人、ひどいときには10人ぐらいで
寄ってたかってやるようなところがあります。

例えば、国家機関や国有企業を訪問すると、
こちらは2-3人なのに、先方は
やたらとたくさん人が出てくることがあります。

最初に一番エラいメインスピーカーの人が
「こちらは○○部部長の王さんです」、
「こちらは□□室主任の張さんです」
と紹介してくれるのですが、
結局、面談で話すのはメインスピーカーの人だけで、
他の人たちはメモを取って聞いているだけ、
というケースが多いです。

先方にしてみれば
「関係者全員に面談の内容を知らしめると共に、
どんな質問にも即答できるように
関係する全ての部署の責任者を集めました」
ということなのでしょうが、
そんなのは秘書が1人同席して面談の内容をメモし
後日関係者全員にe-mailを流せば済むことです。
また、こちらの質問に対する答えも、
持ち帰って調べた結果を
翌日にe-mailでもらえれば十分です。

私との面談を重視して頂いた心遣いは
非常にありがたいのですが、
やはり関係部署の部長や主任が雁首を揃えて、
面談の間中メモを取って聞いているだけ、
というのはかなり非効率なのではないでしょうか。

効率が悪いのはホワイトカラーだけではなく、
ブルーカラーも同じです。

日本なら2-3人でこなすであろう道路工事の現場も、
20人ぐらいで寄ってたかって
作業をしているのを見かけることがあります。
更によく見てみると、
20人のうち本当に働いているのは3-4人で、
他の人はその作業が終わるのをつっ立って見ているだけ、
ということもあります。

多分、その20人の仕事は細かく細分化されており、
その3-4人の仕事が終わらないと
自分の仕事ができないのでしょうが、
それでは待機の時間が長すぎてあまりに非効率です。

こうした日本の基準からみれば非常に非効率な状態の中で、
毎年10%前後の高度経済成長を続けている中国という国は
ある意味すごい国だと思います。

逆に言えば、今後中国がどんどん効率化されて
今まで10人でやっていた仕事を1人でやるようになり、
1人当たりのGDPが10倍になって日本と同じぐらいになれば、
人口が日本の10倍ある中国のGDPは日本を追い抜くどころか、
日本の10倍になってもおかしくはありません。

中国という国の非効率さは、
裏を返せば、今後の成長の可能性でもあるのです。


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2008年11月14日(金)

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