第888回
中国の物価高が止まらないワケ
中国の物価高が止まりません。
中国の今年4月のCPI(消費者物価指数)は、
前年同月比で8.5%上昇、
食品に限れば22.1%も上昇しています。
このため、今の北京ではスーパーで買い物をしても、
レストランで食事をしても、
去年に比べて明らかに
物価高になっていることが実感できます。
最近、北京のレストランでは料理の値段を上げたために
メニューを新しくするところが増えています。
中には更なる値上げに備えてメニューには値段を書かず、
値段はいつでも差し替えができるように
別紙にまとめて書いているレストランまであります。
この物価高の原因は、
中国の輸出増加による過剰流動性や、
国際的な資源、食料価格の高騰などいろいろありますが、
そうした要因がダイレクトに
CPIの上昇に結びついているのは、
中国企業は原材料の仕入れ価格が上昇すれば、
何の躊躇もなく、そのコスト上昇分を
販売価格に転嫁するためではないかと思います。
中国は高度経済成長の真っ只中で
需要がいくらでもありますので、
値上げをしても売れ続ける、
ということもあるかと思いますが、
同業他社とカルテルを組むまでもなく、
みんながみんな至極当然のこととして値上げをしますので、
消費者はモノを買ったりサービスを受けたりしたかったら、
高い値段を飲まざるを得ないのです。
私たち消費者にとっては迷惑な話ではありますが、
中国企業にとっては仕入れ価格が上がっても
利益が確保できるわけですから、
健全な会社運営を続けることができます。
欲を言えば、中国企業はそうやって上がった利益を
豪華な本社ビルの建設や、
社用車でベンツを買うためではなく、
もうちょっと製品の品質を上げたり、
従業員のサービスを良くしたりするための
再投資に使ってほしいと思います。
そうしてくれれば、私たち消費者としても
もうちょっと気持ち良く
値上げを受け入れることができるのですが...。
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