第853回
中国でクレーマー大量発生!

「お前じゃ話にならん!社長を呼べ! 社長を!」
「私を誰だと思ってるの? お客様よ! 消費者よ!」

最近、北京のレストランで食事をしていると、
こんなふうに店員に詰め寄っている
お客を見ることが多くなってきました。

店側がどんなにひどいことをしたら
お客がこんなに怒るんだろう、
と思って聞いていると、怒っている理由は
「料理が出てくるのが遅かった」とか、
「注文したのと違う料理が出てきた」など、
中国ならばごく普通に起こることです。

そして「私はお客様よ!消費者よ!」と言うからには、
何千元(何万円)も食べているのかと思いきや、
お勘定は2人で100元(1,500円)ちょっと。

店側も100元ちょっとの話で店先で大声を出されたり、
忙しいのにつきっきりで
対応させられたりしてはたまりません。

そこで店員が
「今日はお代は結構ですので、お引取りください」
と言っているのですが、
その臭い物にフタをするような対応が
逆に火に油を注いでしまったようで、
そのお客は
「私はカネが惜しくて言ってるんじゃないの!
あんた私が月にいくら稼いでるかわかってるの?
私は一消費者としてあなたたちの店の姿勢を問うてるの!」
などと言って、なかなか帰ってくれません。

確かに、元はと言えばミスをした店側が悪いのですが、
それに対して何十分もネチネチと
店側に文句を言い続けるお客もどうかと思います。
こうなると完全にクレーマーです。

「お客様は神様です」が常識の日本では、
かなり以前から企業に対し理不尽なクレームを付ける、
いわゆるクレーマーが社会問題となっており、
企業は「お客様相談室」という専門の部署を設置して
その道のプロが対処しているようです。

しかし、つい最近買い手市場になったばかりの中国では、
店側がこうした事態に慣れておらず、
クレーマーの大量発生に全く対応できていない、
というのが現状なのです。


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2008年4月2日(水)

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