第736回
評判が悪い中国の警察

中国の警察は評判が悪いです。

その態度は横柄で市民を見下しており、
いらないときには寄ってきて、
いろいろと難癖を付け罰金を取ったりするくせに、
市民が困って相談に行くと
ほとんど相手にしてくれない、
というのが一般的な警察のイメージです。

前回お話した「21世紀の奴隷工場」事件でも、
子供が1,000人も誘拐されているのに
河南省の警察は全く動かず、
インターネットを通じて集まった
子供を誘拐された親たち600人が団結して運動を起こし、
国家レベルの大騒ぎになって
やっと捜査を始めるというありさまです。

中国では警察はあてにならないので、
自分の身は自分で守るしかないのです。

また、中国では
「警察はヤクザとグルになって私腹を肥やしている」
というのは公然の秘密です。
中国ではヤクザのことを
「黒社会(へいしゃーほい)」と言いますが、
本当のヤクザが「黒」であるのに対して、
警察は「白いヤクザ」と呼ばれているそうです。

先日も河北省唐山市で
史上最強と言われる武装ヤクザが捕まりましたが、
この事件でも、地元警察の関与が疑われています。

この武装ヤクザ、装甲車1台、軍用車3台、
各種銃器38丁、銃弾1万発、催涙弾12発
という軍隊並みの装備を持ち、
市民から8億元(128億円)相当の
金品を脅し取っていたそうです。

地元の警察はこれだけ大掛かりな武装犯罪集団を
野放しにしていたどころか、
その軍隊並みの武器を
武装ヤクザに提供していたことが疑われています。

中国の警察署には必ず目立つところにでかでかと
「為人民服務(うぇいれんみんふーうー、
人民のために奉仕する)」と書かれているのですが、
人民の金品を脅し取る武装ヤクザに
武器を提供するなど言語道断、
「為人民服務」が聞いてあきれます。

中国のテレビを見ていると、
警察が凶悪事件の犯人を捕まえて、
市民を犯罪から守る、
というドラマ仕立ての
ドキュメンタリー番組をよくやっています。

多くの中国の警察官は
この番組に出てくる警察官のように善良で、
市民を犯罪から守るために
日夜働いてくれているのでしょうが、
逆に言えば、こうしたプロパガンダ番組を
流さなければならないほど、
中国人民の警察に対するイメージは悪い、
ということなのです。


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2007年7月6日(金)

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