第674回
北京のお金持ちのおカネの儲け方
私、最近、ユダヤ人や華僑のおカネについての哲学に、
非常に興味があります。
「こうやってこうやればお金持ちになれる」
という表層的なものではなくて、
見知らぬ土地で迫害されながらも富を蓄えていった両民族が、
長い歴史の中で培ってきたおカネとの付き合い方、
のようなものに興味があるのです。
そこで早速、「ユダヤ人」とか、「華僑」と名の付く本を何冊か、
オンライン書店で注文しました。
当然、このHiQで「華僑の生き方」を連載されている
高橋守さんの「華僑に学ぶお金の哲学 投資のルール」も
買わせて頂きました。
「おまえ中国に住んでるんだから、本なんか買わずに、
周りにいる金持ちの中国人から直接聞けばいいじゃないか」
と思われるかもしれませんが、
何世代にもわたって見知らぬ土地で闘ってきた華僑と、
ついこの間まで農民だった成金中国人では、
何と言うか、失礼ながら、
人間としての厚みが全然違うような気がします。
特に、私が住んでいる北京は政治の街ですので、
役人への袖の下で利権を手に入れて、
金持ちになった人が多いです。
もちろん、実力勝負、正面から正々堂々と
事業を興して金持ちになった人もいるとは思うのですが、
私の知り合いの金持ちは、
たまたま親戚や友達に政府の役人がいて、
その役人とグルになってボロ儲けした人ばかりです。
ま、人脈があってもそれを事業につなげることができなければ、
金持ちになることはできませんので、
そういう意味では実力があると言えばあるのですが、
そんな人たちから話を聞いても、
私にとっては何の参考にもなりません。
先日も、ある大手国有企業の経理(じんり、部長)が、
当社と合弁会社を作りたい、という話を持ってきました。
名前を聞けば誰でも知っているような大手企業ですので、
当社のような零細企業にとっては
大変ありがたい話ではあるのですが、
よくよく条件を聞いてみると
当社の出資分の一部を、勤め先には秘密で、
裏で自分に出資させてくれ、という話でした。
「わしももうすぐ定年退職なので、
老後の安定した収入源が必要なんじゃ」とのことです。
もちろん丁重にお断りしましたが、
北京ではいまだに上から下までこのような
「権限換金案件」がたくさんあるのです。
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