第605回
再挑戦「日式高級搬家」

当社では現在、
北京に住む日本人を主な対象として、
質の高い引越サービスを提供していますが、
このサービスを中国人「富裕層」向けにも
提供することを検討しています。

現在、北京の引越業界は、
たくさんの地元企業が参入し、
過当競争を繰り広げています。

中国では引越の代金は、
2トントラック1台の
チャーター料金で決まるのですが、
どこかの会社が2トン車1台
200元(3,000円)で売り出すと、
他の会社が「うちは
180元(2,700円)でできる!」と言い、
そうするとまた他の会社が出てきて
「いやいや、うちは150元(2,250円)で
引き受けます」というように、
非常に安い価格帯で、
果てしない消耗戦を繰り広げています。

彼らにとって引越は
「サービス業」ではなく「運送業」ですので、
荷物の梱包はお客さん任せ。
何しろお客さんが梱包した荷物をトラックに載せて、
指定されたところまで運ぶ、
ということしか考えていません。

そして、少しでもコストを下げるために、
何ヶ月も風呂に入っていないような人たちを
かき集めて荷物を運ばせますので、
臭いし、きたないし、時間は守らないし、
荷物の扱いも荒い、という、
まさに「安かろう悪かろう」の世界なのです。

第3回 日式サービスに商機あり、でもお話ししましたが、
私も以前、北京の地元引越会社を利用した際に、
新居の床に吐き気を催すような作業員の足の臭いが
こびりついてしまい、ひどい目に遭いました。

その点、当社の子会社「外運華通」の作業員は、
日本人やその他の外国人マーケットで
鍛えられていますので、
清潔ですし、荷物の梱包や荷解きについても
よく訓練されています。

100万元(1,500万円)以上する
高級マンションを買っているのに、
引越だけは自分で梱包して
150元(2,250円)で済ませる、
というのは、どう考えても不自然です。

こうした質の高い引越サービスは、
必ずや北京の「富裕層」にも受け入れられると
確信しています。

但し、気をつけなければいけないのは、
お金持ちだからといって、
カネ払いがいいとは限らない、
ということです。

第99回「日式高級搬家」苦戦、でもお話しした通り、
私は3年前に一度、中国人「富裕層」向けの
引越マーケットに参入したのですが、
想定外のトラブルが続出したため撤退をしています。

今回は、同じ失敗を繰り返さないように、
慎重に検討を重ねた上で、
マーケットを開拓していこうと考えています。


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2006年9月4日(月)

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