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第589回
中国のフランチャイズは儲かるのか？
中国のフランチャイズチェーンに加盟すると、
どの程度儲けることができるのでしょうか。
日本でフランチャイズチェーンに加盟するならば、
リクルートの起業雑誌「アントレ」などの
企業のフランチャイズ加盟店募集広告に、
「これこれこういう条件の下で経営すると、
これだけ儲かりますよ」という
採算に関してのモデルケースが掲載されており、
どの程度の投資に対して、
どの程度のリターンがあるのか、
ということが示されています。
しかし、中国には
「アントレ」のような雑誌はありませんので、
「特許経営展覧会」に行ったり、
直接、フランチャイズチェーンの本部に
問い合わせたりしなければなりません。
そんな中、ビジネスホテルチェーン大手「如家」の
加盟ホテルに泊まった際に、
「如家」に加盟した場合の
採算のモデルケースを入手しました。
部屋に置いてある「如家」の機関紙に、
細かいモデルケースが掲載されていたのです。
このモデルケースによれば、
「如家」チェーンに加盟して、
100室のビジネスホテルを経営した場合、
内装費、設備費を合わせた
450万元（6,750万円）の初期投資に対して、
年間税引き後予想利益は65.28万元（979万円）。
投資利回りは15%、となるそうです。
このモデルケースの通りにいくならば、
借入金利が5-6%と高い
人民元を銀行から借りて投資しても、
利払い後10%近くが手元に残ることになります。
このモデルケースの前提となる数字は、
ホテル建築面積3,450㎡、客室数100室、
年平均客室稼働率85%、平均客室単価170元（2,550円）、
売上高営業利益率55%です。
そして、「如家」の本部に対しては、
加盟金に当たる30万元（450万円）の
ブランド使用料に加え、
ロイヤルティに当たる
サービス費と管理費を支払います。
サービス費と管理費は売上高の6%ですので、
このモデルケースだと、
年間31.65万元（475万円）を
本部に支払うこととなります。
私、ホテルの経営に関してはど素人なのですが、
投資利回りが15%、と言われると、
「ホントにこのぐらい儲かるんだろうなぁ」
と思えてきます。
少なくとも「如家」は、
投資利回り50%とか100%を謳う
イカサマフランチャイズチェーンではなさそうです。
個人でビジネスホテルを開業しても、
お客さんを集めて客室稼働率を上げるには、
膨大な広告宣伝費がかかりそうです。
そういった意味では、
加盟金やロイヤルティを払っても、
誰もがその名前を知っている
「如家」のようなホテルチェーンに加盟して、
中国全土から宿泊予約が入るようにした方が
最終的にはお得なのかもしれません。
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