第456回
猛然と働く個人企業の社長

中国では、サラリーマン時代は、
いかに楽して給料をもらうか、
しか考えていないような人も、
独立して一国一城の主になると、
自分の持てる全ての能力や人脈を駆使して、
猛然と働き始めます。

サラリーマンと違って、
働けば働くほど自分の収入が増える訳ですし、
サボって会社が傾けば、
首をくくることにもなりかねません。
そりゃ、がんばりますわな。

そう考えていくと、中国で業容を拡大するに当たって、
社内で優秀な中間管理職を確保することが難しい場合には、
そうした猛然と働く個人企業の社長に
社内の一部門をアウトソースしたり、
フランチャイジーになってもらったりするのが
良いかもしれません。

先日お話しした
サービスがひどい日系コンビニのお店は直営店ですので、
店長は本部から派遣されたサラリーマンです。
サラリーマン店長は、お店が儲かろうが損しようが、
もらえる給料は差不多(ちゃーぶどー、大差ない)ですので、
お店の経営に力が入らないのかもしれません。

これが、日本のようなフランチャイズ方式を導入して、
やる気のある個人商店主が、
自分の人生を賭けて、必死になってお店を経営すれば、
サービスは自ずと良くなるのかもしれません。

ただ、ここ中国では、
そうした個人商店主のやる気が
あらぬ方向に暴走してしまう可能性も、
なきにしもあらずです。

元々、フランチャイズチェーンは、
本部が持っている店舗経営成功のノウハウを加盟店に教え、
加盟店がそれを忠実に実行することによって強みを発揮します。
加盟店が本部の指示を忠実に守ることにより、
お客さんはチェーンのどのお店に行っても、
均一で質の高いモノやサービスを手に入れることができ、
その安心感がチェーンのブランド価値を高めるのです。

しかし、中国のフランチャイズチェーンを見ていると、
加盟店が本部の言うことを全く聞かず、
自分で勝手にアレンジしてお店を経営しているケースが
多いように思います。

ですので、中国では、
「あのレストランチェーンは、本店が一番おいしい」とか、
「あのチェーンストアは、○○店の品揃えが一番いい」
というようなことが起こります。

中国で業容を拡大するに当たって
提携する個人企業の社長は、
やる気と能力があることはもちろんですが、
本部の方針をきちんと理解して、
自分勝手な判断で物事を進めない、ということも、
重視すべき資質なのではないかと思います。


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