第451回
「自分が優秀だと勘違いしている従業員」
最後は、「自分が優秀だと勘違いしている従業員」です。
従業員は会社の宝です。
いくら社長が優秀でも、
社長1人ががんばってできることは
たかが知れています。
会社を経営するようになって、
そのことがよーく分かりました。
会社が発展するか否かは、
優秀な人材を揃えられるかどうか、
優秀な人材の能力を生かすことが
できるかどうかにかかっている、
と言っても過言ではありません。
零細企業の社長の最も重要な仕事は、
営業でも財務でもなく、
人事なのではないだろうか、
と私は思うのです。
ただ、中国で起業して困るのは、
全然優秀じゃないのに、
自分がものすごく優秀だと
勘違いしている人が多いことです。
履歴書に「日本語堪能」と書いてあるのに、
いざ面接をしてみると、
カタコト以下の日本語しか話せない人。
セールスの成績が上がらないと、
自分の能力は棚に上げて、
「売れない商品が悪い」とか、
「買わないお客が悪い」などと、
他人のせいにする人。
簡単な仕事も満足にできないのに、
「私はこんな仕事をするために、
大学で高度な知識を習得したんじゃない」
などと言う人。
なんか、思い出すだけでも、脱力します。
こうした人たちは、「自分みたいな優秀な人間が、
なんでこれっぽっちの給料しかもらえないのだ」
と、常に不満に思っています。
悪いことに、中国では、従業員同士が、
給料を教えあう習慣がありますので、
自分が優秀だと勘違いしている人たちは、
他の人から聞いた給料が、自分より高かったりすると、
「あんなバカが、どうして私より給料高いですか!」
などと言って上司に詰め寄ります。
詰め寄られた時に、「いや、彼は、
こうこうこういう理由で、君より優秀だから...」
などと説明しても、詰め寄った方は
「ヤツより自分の方がはるかに優秀」
という、確固たる勘違いに基づいてものを言っていますので、
納得してもらうことは到底不可能です。
そういう場合は、一言、
「うちの給料が不満なら、
もっと給料をたくさんくれる会社に行きなさい」
と言って、辞めて頂くに限ります。
給料に不満がある人に、いい仕事はできません。
自分が優秀だと勘違いしている人を
間違って雇ってしまった場合は、
無理に納得してもらおうなどとは思わず、
なるべく早い時期に辞めて頂いた方が、
お互いのためなのではないかと思います。
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