第344回
恐るべし、「温州商人」
今、石炭業界が熱いです。
主に中国での消費量の大幅な増大により、
世界的に石炭の需給が逼迫、
石炭の国際価格はものすごい上がり方を見せています。
1989年に丸紅に入社して石炭部に配属されて以来、
1996年の北京支店への赴任を経て、
2001年に丸紅を退職するまで、12年間にわたり、
石炭貿易一筋でやってきた「石炭バカ」の私でしたが、
万年供給過剰で
完全な買い手市場である石炭業界に嫌気が差し、
起業するに当たって、
石炭業界からは完全に足を洗ってしまいました。
しかし、私が石炭業界から足を洗ったとたん、
中国の石炭需要が爆発、
石炭価格は暴騰し、
中国ではたくさんの「石炭成金」が生まれました。
先見の明が無いと言うか、なんと言うか...。
ずっと石炭やってたんなら、
小さい炭鉱の一つでも買っときなさいよ!
あ〜、も〜、ばかばか!
そんな中国の石炭業界に異変が起きています。
「温州商人」が
中国最大の石炭産地である山西省に大挙して押し寄せ、
炭鉱を買い漁っているらしいのです。
「温州商人」と言えば、
中国で最も商魂がたくましいと言われている人たちです。
邱さんがおっしゃっている
「人口4,000万人のスペインに、6,000万足の靴を売った」
という、あの「温州商人」です。
その「温州商人」が次なるターゲットとして、
石炭を選びました。
温州の会社、500社以上が、
山西省の炭鉱買収に40億元(600億円)以上を投入、
既に、同省の年間石炭生産量の1/5に当たる
8,000万トンを掌握している、との事です。
石炭価格の上昇と共に、
炭鉱の価格が高騰したにも関わらず、
「温州商人」の炭鉱買収の勢いは
衰えていないそうです。
「温州商人」曰く、
「1億元(15億円)投資して炭鉱を買っても、
今の石炭価格なら1-2年で全額回収出来る」
との事です。
正に、恐るべし、「温州商人」です。
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