第304回
「ぼ〜、ぽ〜、も〜、ふぉ〜」
みなさんの中には、
中国への出張や旅行がきっかけとなって、
中国語の勉強を始められた方も多いかと思います。
斯く言う私も、
丸紅の東京本社で働いていた時に中国に出張して、
「これは中国語を話せないと、文字通り話にならない」
という思いを強くして、中国語の勉強を始めた口です。
ただ、中国語の勉強を始めると、
いきなり「発音」という壁にぶち当たります。
私たち日本人は、普段、日本語で漢字を使っていますので、
他の国の人たちに比べると、かなり有利ではあるのですが、
こと「発音」に関しては、日本語に無い発音がたくさんあり、
たいへん苦戦する事となります。
私も一番最初は日本で語学学校に通って
中国語を勉強し始めたのですが、
先生が発音に厳しい方で、
最初の4ヶ月は発音の練習しかさせてもらえませんでした。
早く話せる様になりたい駆け出しの学習者としては、
出張で中国に行った時に、
すぐに使えるフレーズなどを教えて欲しいのですが、
毎回毎回「ぼ〜、ぽ〜、も〜、ふぉ〜」の繰り返しです。
ただ、正しい発音さえ身に付けてしまえば、
中国語は文法も比較的簡単で、
覚えなくてはならない例外も少ないので、
後は単語の数を増やすだけ、となります。
逆に、日本語は勉強し始めの頃は簡単なのですが、
勉強すればするほど難しくなっていきます。
最初は、発音がいいかげんでも通じますし、
全ての発音はひらがなで表記出来ますので、
ある程度のレベルの日本語を習得するのは、
さほど難しい事ではありません。
しかし、勉強を続けていくと、
同じ漢字でも音読みの場合と訓読みの場合があったり、
話す相手によって敬語やていねい語を
使い分けなければならなかったり、
時と場合によって使うべき単語が違ったり、
とケースバイケースで覚えなくてはならない事が
どんどん増えていきます。
私たち日本人は、
経験から無意識にそうした使い分けをする事が出来ますが、
それをいちいち覚えていく、というのは大変な事です。
そういう意味では、中国語は日本語に比べて、
比較的習得がしやすい言語、と言えそうです。
その割には全然上達しないのですが...。
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