第303回
HSKを社内検定に
中国企業と取引したり、中国に進出する日本企業は、
どんどん増えています。
こうなってくると、今後、
中国語を話せる日本人の需要はますます高まる事となります。
もちろん言葉が出来る出来ないよりも、
総合的にどのぐらいの付加価値を生み出す事が出来るのか、
という方が重要である事に変わりはないのですが、
やはり、中国ビジネスをするに当たっては、
通訳を通して話すよりも、
中国語を使って自分の言葉で
直接相手に意思を伝えた方が、
時間の節約にもなりますし、
通訳のレベルの低さによる誤解も防ぐ事が出来ます。
現在、日本企業では社内検定で
英語のTOEICを採用している会社が多いかと思いますが、
今後は中国語のHSKを社内検定に導入する会社も
増えてくるのではないでしょうか。
HSKとは漢語水平考試(Hanyu Shuiping Kaoshi)の略で、
中国語を母国語としない中国語学習者の為の
中国語能力認定試験です。
この試験は中国の教育部(日本でいう文部科学省)が定めた
国家試験ですので、
中国国内でも中国語能力の証明として十分通用するものです。
このHSKの特徴は、TOEICと同じ様に、
どのレベルの人も同じ試験を受ける事です。
英検や中国語検定の様に、
何級を受けて、受かるか落ちるか、
という形ではありません。
HSKはヒアリング、文法、読解、総合穴埋の、
4つの試験を受けて、
その合計点数によって1〜8級の認定を受ける
という事になっています。
この級は、日本と逆で1級が最低、8級が最高です。
この1〜8級の試験では簡単すぎる、という上級者には、
問題が格段に難しくなる上級試験も用意されています。
この上級試験では、獲得点数により
9〜11級の認定が受けられます。
私の感覚としては、HSKの7級が
TOEICの730点と同等ぐらいの能力なのではないかと思います。
北京に来ている留学生を見ると、
中国語が全く出来ない状態で来ても、
1年間、毎日学校に通ってみっちり勉強すれば、
だいたいHSK 7級は取れる様になる様です。
ただ、このHSK、
TOEICと同じで、試験勉強をすれば点数が上がります。
HSK 7級を持っていても、
中国語で仕事をする事が出来ない人もたくさんいます。
私の会社で中国語を話せる日本人を採用する際には、
HSKの級は目安ぐらいに捉え、
それよりも、HSKを受ける為に一生懸命勉強した、
という姿勢を評価する事にしています。
ビジネス中国語会話は、
真面目に取り組む姿勢を持つ人であれば、
実践でいくらでもうまくなる、と私は考えています。
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