第290回
「石炭成金」を狙え!

先日、新聞を読んでいたら
山西省の「石炭成金」についての記事がありました。

中国の発電所は石炭火力発電所が多いのですが、
中国の経済発展による電力需要の伸びにより、
石炭は供給不足となり、石炭の価格は上昇を続けています。
そんな中で、個人経営の炭鉱を所有している人たちは、
ボロ儲けをしている様です。

日本でも高度経済成長の時代は、
石炭が「黒いダイヤ」と呼ばれていましたが、
今、正に中国では「黒いダイヤ」が
たくさんの「石炭成金」を生み出しつつあります。

山西省の南東部、高平市の農民の平均年収は
500元(7,500円)であるのに対し、
炭鉱経営者の平均年収は
500万元(7,500万円)である、との事です。
同じ市内に住んでいながら、
実に1万倍もの貧富の差がついています。

山西省の「石炭成金」たちは、山西省内での消費に飽き足らず、
北京、上海、天津などの都会で、贅沢の限りを尽くします。
彼らは数百万元(数千万円)もする高級マンションや高級車を、
即金で買って行きます。
こうした都会に流れ込む、
「オイルマネー」ならぬ「コールマネー」は、
年間100億元(1,500億円)にも達するそうです。

こんな事になるんだったら、
私も山西省に小さな炭鉱の1つでも
買っておけばよかったです。

私たち日本人はバブルの時に、
成金はどういうお金の使い方をするか、を学んできました。
その経験を中国で生かして、
例えば、クルーザーで遊ぶとか、
豪華客船で旅をするとか、
会員制リゾートクラブでゆっくりするとか、
そういった中国の人たちが思いつかない様な贅沢を
中国の「石炭成金」たちに提案すれば、
「コールマネー」を取り込む事が出来るのではないか、
と思います。

農民の数に比べれば、「石炭成金」の数はほんの一握りです。
しかし、私たち日本人がターゲットにすべきなのは、
年収500元の人がたくさんいる農民市場ではなく、
数は少なくても年収500万元の人がいる
「石炭成金」市場です。

農民市場に供給する為の「安かろう悪かろう」の商品は、
既に中国にゴマンとありますが、
「石炭成金」が贅沢をする為の商品は、
まだまだ圧倒的に足りない状態です。
高級マンションも高級車も買った人が、
次に何を買うか、というのを一番良く知っているのは、
バブルの時期にそういう経験をしてきた、
我々日本人なのではないでしょうか。


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