第286回
サッカーのアジアカップ
先日、日本の2連覇で幕を閉じたサッカーのアジアカップ。
今回は中国での開催となった訳ですが、
重慶、済南、そして、北京での中国人観客の程度の低さには、
心底あきれ果てました。
試合中、
日本選手に向かってブーイングをするぐらいならまだしも、
人の国の国歌に対するブーイング、
日本人観客に対するペットボトル攻撃。
これらは到底許される行為ではありません。
これは私が日本人だから、という事ではなくて、
攻撃の対象がアメリカだったとしても、
韓国だったとしても、同じ様に考えたと思います。
逆に、中国のサッカーチームが日本に来た時に、
日本人観客が同じ事をしたら、
日本人として非常に恥ずべき事だと思います。
今回の中国人観客の暴挙は、
明らかに中国の国益にも反しています。
今後、中国政府は2008年の北京オリンピックに向けて、
運営能力に対する世界の不安を払拭する作業を
マイナスから始めていかなければなりません。
愛国の気持ちから出た反日行動が、
逆に国益を削ぐ事になっています。
思慮が足りない、何とも浅はかな行為です。
今回の中国人観客の反日行動を見て、
「自分はなんという怖い国と、ビジネスをしているのだろう」
と思った人も多いのではないでしょうか。
確かに、普段ビジネスをしている時には、
いつもニコニコ対応してくれる中国企業の人が、
スタジアムでは先頭に立って
「日の丸」を燃やしていたりしたら、ものすごく怖いです。
ただ、実際は今回の中国人観客の様な、
過激な反日感情を持っている人は、
そんなに多くないのではないかと思います。
中国が「13億総反日」だとしたら、
いくらお金になるといっても、
日本語を勉強する人もいませんし、
日系企業に就職する人もいませんし、
日本企業と取引をする会社もないのではないでしょうか。
実際、私は8年間中国でビジネスをしていて、
「日本人だから」という理由で取引を断られたり、
いやな思いをした事は、1度もありません。
中国の学校では
徹底した反日教育がされていると言われています。
日本軍が中国でどんなひどい事をしたか、
という事と、
八路軍がいかに勇敢に戦って抗日戦争に勝利したか、
という事を、事細かに教える様です。
そうした反日教育を受けて、
短絡的に全く場違いなサッカーの試合で、
反日行動を起こす人も中にはいます。
しかし、大多数の中国の人たちは
「日本人は確かに、戦争中にひどい事をしたが、
だからといって目の前にいる日本人に、
「日本人だから」という理由で仕返しをするのは間違っている」
と理性的に考えている様に思います。
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