第230回
日本企業は「工作圧力大」

日本に出張で行って来た中国企業の人に
日本企業の印象を尋ねると、
「太緊張了(ストレスが強すぎる)」とか、
「工作圧力大(仕事のプレッシャーが大きい)」
などという答えが返ってきます。

中国企業の人が日本に出張に行くと、
まずは、朝の出勤で駅の構内を歩く人の流れの速さに乗れず、
満員電車でもみくちゃにされ、
事務所に着くだけでへとへとになってしまう様です。
かと言ってタクシーで移動しようとすると、
ちょっと乗っただけでメーターがどんどん跳ね上がり、
すぐに数百元(数千円)になってしまいますので、
滅多やたらに乗れません。

やっとの思いで事務所に着くと、
今度は日本企業の重箱の隅をつつく様な質問攻撃、
たくさん配られる資料、
複雑な社内手続、
それに伴う遅い決断、
となかなか思った様に仕事が進みません。

日本企業の人たちは資料作成や社内手続という
内向きの仕事に膨大な時間を費やしており、
その為に夜中まで残業したり、
休日出勤したりしている、
という風に中国企業の人たちは見ています。
更に、満員電車で
片道1時間以上かけて通勤しなければいけないので、
体力的にもきついし、プライベートな時間も余り取れない。

こうした事からストレスが鬱屈し、
日本のサラリーマンは、電車の中で女の人のお尻を触ったり、
コートの下に何も着ないで夜中の道を歩いたりする
変態になってしまう、というのが、
中国では定説となっています。

中国企業では通常、
現場の事情を熟知している人が決定権者になっていますので、
部下から口頭で報告を受けてすぐに決断を下しますし、
商談にも決定権のある人が出て行き、
その場で結論を出します。

そうしたやり方に慣れている中国企業の人たちから見れば、
日本企業のやり方は非常に非効率に感じる様です。
決定権者が商談に出て来て、その場で決断し、その責任も取る、
というやり方は、むしろ欧米の企業文化に似ています。
中国企業にとっては、日本企業よりも欧米企業の方が、
ビジネスの相手としてはやり易いのかもしれません。


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