第219回
「吉野家の牛丼が食べたい!」
日本ではBSEで牛肉が足りなくなったと思ったら、
こんどは鳥インフルエンザで鶏肉も足りなくなっています。
残るは豚肉だけですが、豚肉も足りなくなったら、
食べる肉がなくなってしまいます。
中国も昨年末に、米国産牛肉の輸入禁止措置を採りましたが、
国内自給率が高いせいか、
元々中国料理では牛肉を使った料理が少ないせいか、
日々不足感無く、牛肉を食べる事が出来ています。
北京にはたくさんの吉野家がありますが、
ここでも普通に牛丼を出しています。
先日、日本から来られたお客様と食事をする時に、
「何を食べましょうか?」とお訊きした所、
「日本では食べられなくなった、吉野家の牛丼が食べたい!」
という答えが返ってきました。
人間、普段は特に好物という訳でもないものでも、
食べられない、という事になると、
無性に食べたくなるものです。
一方の鶏肉は、いくら北京産の鶏肉は安全だと言われても、
「君子危うきに近寄らず」で誰も食べなくなりました。
KFCも客足が遠退いたらしく、
「照焼猪排堡(じゃおしゃおちゅーぱいばお、
照り焼きポークバーガー)」など、
対策メニューを打ち出しています。
そのくせ、北京ダックはみんな平気で食べています。
「ニワトリとアヒルは違う」というのがその理由です。
全く、用心深いんだか、大胆なんだか、よく分かりません。
ただ、中国料理は奥が深いので、
素材としての鶏肉が無くなっても、余り不自由は感じません。
日本では、「肉」と言えば、
牛肉、鶏肉、豚肉の3種類でほとんどですが、
中国では、ここに羊肉が加わります。
更に、犬肉、カエルの肉など、
日本ではゲテモノとされている肉も、割と普通に食べますし、
動物の内臓を食べる機会も、日本よりずっと多いです。
こうした肉類に、
各種海産物、野菜、麺やご飯などの主食類が加わります。
中国では、こうした豊富な食材のお陰で、
鶏肉が食べられなくてもさほど気にせず、
毎日の食生活を送る事が出来ます。
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