第191回
おいしいお寿司とおいしい焼肉
私が北京に赴任した1996年当時、
北京はまだまだ不便で、物資も少なかったので、
日本に帰るのが楽しみでした。
一時帰国で飛行機が成田に着陸すると、
「おお~!文明の国に帰ってきた~!」という感動がありました。
8年後の現在、
北京は当時とは比べ物にならないぐらい便利になり、
北京で手に入らないものなど無いのではないか、
と思わせるぐらい物資も豊富になっています。
最近は成田に着いても、
余り感動を覚えなくなってしまいました。
そんな私も、日本に帰ると必ず食べたいものがあります。
それは、おいしいお寿司と、おいしい焼肉です。
この2つは、北京では食べる事が出来ません。
どうしても日本に行って食べる必要があります。
お寿司は生魚とすし飯の組み合わせですから、
普通に考えれば、
調理の腕が味に及ぼす影響は小さいのではないかと思えます。
しかし、実際は、北京の日本料理屋のお寿司と、
日本のお寿司屋さんのお寿司では、
全く違う食べ物、と言っていいぐらいの差があります。
一説によれば、寿司職人の包丁の入れ方で、
魚はうまくもまずくもなる、と言いますが、
それは本当なのかもしれません。
もう一つの焼肉ですが、
これはお寿司以上に北京と日本で味が異なります。
北京は韓国人や朝鮮族の人がたくさんいますので、
韓国焼肉屋さんも多いです。
しかし、これらの店が出す肉は赤身の肉が多く、
日本のカルビの様な脂の乗った肉は余りありません。
赤身は赤身でおいしいのですが、
これが本場韓国の焼肉の味だとしたら、
私は本場じゃない日本の焼肉の方がずっとおいしいと思います。
日本のおいしいお寿司屋さんとおいしい焼肉屋さんが、
北京に進出してくれたら、
北京在住の1万人の日本人が喜ぶだけではなく、
地元の中国人の人たちにも受け入れられると思うのです。
中国の人たちに本当のお寿司の味、
本当の日本の焼肉の味を伝える事は、
非常に意義のある事です。
金銭的にも競争の激しい日本で「牛尾」に甘んじるより、
北京で「鶏口」となった方が、儲かると思うのですが...。
どうですか!
日本のおいしいお寿司屋とおいしい焼肉屋の皆さん!
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