第145回
北京空港に猛省を促す!

北京空港はろくでもない空港です。
ハード(建物)はきれいになりましたが、
顧客サービスというソフトの面から見ると、最低の空港です。
前回取り上げたタクシー乗り場を
短距離と長距離に分けない件もそうですが、
他にも上海虹橋空港で普通に行われている事が、
いつまで経っても実現しない、という事例が多々あります。

例えば、最近やっと改善されましたが、
北京空港では先日まで、空港使用税のチケットを売るカウンターと
保険を売るカウンターが一緒でした。
保険を買う人がいると、
身分証明書のチェックや必要事項の記入で時間が掛かる為、
ほんの数秒で終わる空港使用税チケットを買うだけの人が、
後ろで長蛇の列を成している、
という光景が常に見受けられました。

これは空港使用税チケットのカウンターと
保険のカウンターを分ければ、それで済む事なのですが、
北京空港は長年この状態を放置して来ました。

又、北京空港のレストランの料理のまずさと
値段の高さは信じられないものがあります。
空港のレストランは街のレストランより
値段が高いのは仕方の無い事です。
しかし、味の方は、いやしくも、
世界四大料理の一つである中華料理の本場、中国ですよ。
その首都である北京の国際空港のレストランが
こんなまずいものを出してたら、
諸外国の皆さんにばかにされますよ。

私も日本からお客さんが来て、
北京空港での乗り継ぎまでにちょっと時間があって、
その間にお客さんと一緒に食事を済ませておきたい場合は、
北京空港のレストランは余りにひどいので、
車で10分ほどの所にある「シノスイスホテル」という
4つ星のホテルに行って食事をする事にしています。

こうした北京空港の最低の顧客サービスを見ていると、
やはり、競争が無いとサービスの向上は図られないものである、
という事が良く分かります。
北京から飛行機に乗りたかったら、
いくら北京空港はサービスが悪いから嫌いだと言っても、
他に空港が無い訳ですから、北京空港を使わざるを得ません。
こうした経済が好調な国の独占企業は、
数字の上ではどんどん業績が伸びて行きますので、
「これでいいのだ!」と思って、
顧客サービスの改善を考えるという発想自体が生まれません。
もしかすると、国有企業時代の名残で、
「使わせてやってる」ぐらいに思っているのかもしれません。

首都の国際空港は、その国の顔です。
初めて来た外国人がまず降り立つのが空港ですので、
その国の第一印象は空港で決まります。
今後、2008年のオリンピックに向けて、
更に多くの外国人が北京空港に降り立つ事になります。
「中国の恥」とならぬ様、
北京空港に猛省を促すと共に、
可及的速やかなサービスの向上を期待します。


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