第111回
優秀な人がマーケットに出て来ない
北京の日本語人材は、基本的には買い手市場です。
外企に「日本語が話せる人」という条件を出すと、
ものすごい量の履歴書が送られて来ます。
しかし、実際に面接をしてみると、
優秀と思われる人材はほとんどいないのが現状です。
やはりマーケットに浮遊している人材は、
どこに面接に行っても断られて、
いつまでも浮遊し続けている様です。
こうした浮遊人材を面接しても時間の無駄ですので、
当社では履歴書に書いてある外企への登録日時に気を付けて、
面接する人を選んでいます。
登録日時が古い人は、浮遊人材である可能性が高いのです。
優秀な人材は誰が見ても優秀ですので、
すぐに採用が決まってしまいます。
優秀な人材を確保したかったら、
他の会社が面接をして採用を決めてしまう前に
雇ってしまうしか方法はありません。
では、中国の日本語人材には優秀な人が少ないのか、
というと、そんな事はありません。
仕事の関係でお付き合いのある北京の日系企業のスタッフの中には
「是非うちで働いて欲しい」と思う様な優秀な人がたくさんいます。
中には月10,000元(150,000円)以上もらっている、
という人もいますので、
会社も彼をつなぎ留めるのに苦労している事が伺えます。
月10,000元というと、北京の日系企業の中では
かなりの高給取りの部類に属しますが、
その会社にしてみれば、優秀な人材が確保出来るならば、
この程度のお金は痛くも痒くも無い、という所なのでしょう。
こうして見ると、北京の日本語人材は
「優秀な人がいない」のでは無く、
「優秀な人がマーケットに出て来ない」というのが、
正確な言い方かと思います。
今後、一握りの優秀な人材の給料はどんどん上がって行き、
だぶついているその他大勢の浮遊人材の給料は
逆に下がっていく、という状態が加速する事が予想されます。
日本でも失業率は高止まりし、
年収300万円時代の到来が言われていますが、
一握りの優秀な人材にとっては、
全く関係の無い世界の話かと思います。
どこの国でも、付加価値を生み出せる優秀な人材は、
企業が放って置きません。
お金だけが人生ではありませんが、
サラリーマンとして生きて行くならば、
辞められると会社が困ってしまうぐらいの
付加価値を生み出せる人材になりたいものです。
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