第96回
中国料理の定食屋

中国で仕事をしていて、何が不便かと言うと、
仕事で外出して食事時になった時に、
一人で食事が出来る所が極端に少ない事です。
マクドナルドやケンタッキーなど、
ファストフードのお店が近くにある場合は良いのですが、
圧倒的多数を占める中国料理店は
一人で食べる様に出来ていません。

皆さんご存知の通り、
中国の中国料理店は、1つ1つの料理の量が多く、
大人数で肉料理、野菜料理など色々な料理を頼んで、
みんなで同じ皿のものをつつく、という形がほとんどです。
もちろん、一人で中国料理店に入って、
料理1品と白いご飯で食事をしても良いのですが、
だいたいの場合、その料理1品の量が多い為、
食べている途中で飽きてしまいますし、
肉料理なら肉ばっかりですので、
栄養のバランスも悪くなります。

日本ならばどんなお店に行ってもだいたい定食がありますので、
一人で入っても困る事はまずありません。
もっとも中国人の人たちから見ると、大人数で食事をする時も、
一人一人が定食を頼む日本の食べ方は、非常に奇妙に映る様です。
せっかくみんなで食事に行ったのに、
それぞれが別々のものを頼んで、自分の分だけ食べるのでは、
一緒に食事をしている意味が無い。
みんなで同じ料理を食べて、
おいしいだのまずいだの言いながら食べるから
楽しいんじゃないか、との事です。
確かに、それはおっしゃる通り。

しかし、今後、中国のビジネスパーソンが忙しくなってくれば、
一人食事の需要も高まってくると思われます。
日本の定食文化を持ってきて、
中国料理の定食屋を作ったらどうでしょうか。
1人分の定食で、
ちゃんと肉料理、野菜料理のバランスが取れていて、
料理がおいしくて、値段がそこそこならば、
需要はあるのではないか、と思います。

ただ、この場合、競合する相手が
1食10元(150円)前後の弁当や社員食堂になりますので、
いくらおいしくしても、余り高いお金は取れないかもしれません。
更に、この程度のアイデアでは、参入障壁が低すぎて、
もし、うまくいった場合でも、
すぐに真似をされてしまう可能性が大きいです。
あったら便利だし、需要はあると思うのですが、
苦労する割には余り儲からない商売かもしれません。


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