第63回
マイカー時代到来!

高度成長を続け、人々が豊かになってきている中国において、
今、最も注目を集めている耐久消費財は、
やはりなんと言っても自動車です。
最近の報道では、2002年末時点での北京の
100世帯当たりのマイカー保有台数は4.1台との事でした。
絶対数ではまだまだ少ないですが、
前年比70.8%の伸び、という事ですので、
マイカー時代がいよいよ到来しつつある、といった感じでしょうか。

マイカーを持っていない人達の
自動車に対する関心も非常に高いです。
昨年6月、北京の国際展覧中心で開かれたモーターショーでは、
付近の交通がマヒする程のたくさんの人々が会場に押しかけました。
邱さんの著書にも「サラリーマンの月給が2万円で
車の値段が100万円もする時代、晴海のモーターショーに行って、
何が何でも車を買うんだ、という若者の熱気を見て、
翌日、トヨタの株を買いました」という記述がありましたが、
今の中国が正にそういう状態です。

中国の自動車は非常に高いです。
例えば、広東省広州で生産されている
本田雅閣(ホンダアコード)の2.4 i-VTECという車種は
26万元(390万円)で売られています。
日本で売られている同じホンダアコードの2.4 i-VTECは
250万円ですので、中国の方が50%以上高い計算になります。
それでも中国国内の合弁生産の車が売れるのは、
高い輸入関税の壁に守られているからです。

以前、中国は先進国の進んだ自動車生産技術を吸収する為、
外国の自動車会社の誘致を積極的に進めました。
誘致をするに当たって、
中国政府は自動車の輸入関税を80-100%と高率にし、
中国国内の自動車価格を高止まりさせる事によって、
進出した自動車会社の利益を確保する、という政策を採りました。

しかし、2001年の中国のWTO加盟で、
加盟後5年以内に80-100%の関税率を
25%まで下げなければならなくなりました。
これにより、中国国内合弁生産の自動車価格も
徐々に下がってきており、
以前よりは買い易くはなっていますが、
それでもホンダアコードが390万円です。
高嶺の花には違いありません。


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