第117回 さて、「詐欺ロレックス」に対抗する為に続いているこの企画、次のポイントはリューズです。リューズ、漢字で書くと「竜頭」ですが、ここにも「詐欺ロレックス」を見破るヒントが隠されているんですよ。 本物のロレックスを持っている方はちょっとリューズを回転させて「時間合わせの位置」まで引き出してもらえませんか? 引き出してもらったらリューズの心棒の部分を良く見て下さい。ロレックスは特許の「オイスターケース(註1)」を使用しているためリューズはねじ込み式になっています。ですからこのリューズの根本にもネジが切ってあるハズです。このネジのやや上の心棒の一部分に黒いゴムのような横線が一本あります。これが通称「パッキン」と呼ばれるモノで、オイスターケースの防水効果を高める上で重要な役割を持っています。 もうお分かりですね。そう、「詐欺ロレックス」にはこのパッキンの入っていないモノが非常に多いのです。ただし、シードゥエラーやサブマリーナといったダイバーズ系の偽物の一部にはすでにパッキンが入っているという情報もありますので、これらには注意して下さい。 そして、もう一点。これはロレックスに限らず自動巻腕時計を持っている方なら分かると思うのですが、時計を振ると「ジジジ」というような小さな音がしますよね? これはご存じの通りネジを巻いている音なんですが、この時に良く耳を澄まして聞いてみてください。時計を右回転させた時の音と、左回転させた時の音の違いを。 ロレックス社の特許の1つに「パーペチュアル」があります。これは時計の動きを右回転、左回転関係なく360度受け止めてバネに伝えるという機能です。ですから、ロレックス社製以外のムーブメントを搭載していると、時計を右回転に振った時の音と左回転に振った時の音が違うというケースが多々あります。 片一方に振ってみると「ジジジ……」というネジを巻く音がする。もう片方に振ってみると「カラカラ……」と内部のボールベアリングの音がする。その腕時計は詐欺ロレックスです。間違いありません。 次回、「ロレックスの逆襲篇」最終回! 註1: ステンレスの塊をくり抜いて作る一体形成のケースのこと。このケースにより防水、防塵性が飛躍的に高まっている。 |
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2003年2月14日(金) |
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