弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第741
「がんに効く」で、業務停止

薬事法という法律で、
「〜に効く」という表現は、
厚生労働省で認可を受けた薬にしか使うことはできません。

薬でも、認可を受けた範囲でしか「〜に効く」
という効能を謳うことはできないのです。

しかし、「〜に効く」と記載すると、食品が売れることから、
本当は効かないにもかかわらず、
「〜に効く」という表現を使って、
食品を売ろうとする業者が後を絶ちません。

今回は、「豚の胎盤」が「がんに効く」という効能を謳って
販売していた業者に、消費者庁が業務停止命令を出しました。

この豚の胎盤は、「がん」ばかりではなく、
「更年期に効く」「血液の流れが良くなる」など
実際にはない効能を謳って勧誘し、販売していたようです。

実際はない効能を謳って勧誘し販売していたのですから、
実際は、詐欺だと思います。

本当に、世の中、嘘も多いので、
気を付ける必要があります。

最初にお話ししたとおり、「〜に効く」と謳えるのは、
法律上、薬だけですから、薬ではないのに、
「〜に効く」と謳っている場合は、疑ってかかる必要があります。
この業務停止を受けた業者の売上は、
何と年間5億円だったそうです。

物が売れない時代に、年間5億円も売れるわけですから、
「〜に効く」と謳いたくなるのもわかります。
しかし、嘘を言って物を売ることは、詐欺で犯罪ですから、
当然のことながら、やってはいけないことなのです。


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2012年4月26日(木)

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