第724回
和歌山や米沢はよくて、喜多方はダメ
今日のタイトルは、
別に地域の良し悪しではありません。
ラーメンの「地域団体商標」が
認められるかどうかというものです。
そもそも、「商標」というのは、
商品やサービスを表す名前や
マークを登録すれば独占して利用できる権利です。
有名なブランドや商品名は、商標登録されていて、
勝手に他の人がその商品名を利用できなくなっています。
しかし、最近まで地域名や普通名詞を組み合わせたものは、
商標として利用できませんでした。
○○地方のラーメンなどは、特定の人に独占使用されてしまうと、
他の人が自由に使えなくなってしまって、
不都合が生じてしまうからです。
しかし、最近は、地域興しの一環として
地域ブランドを育てる試みが多数なされています。
そこで、特定の地域の特産品などに関して、
地域の団体が、商標登録することを認める制度が作られました。
これが「地域団体商標」です。
地域団体商標が認められるには、
その名前が、地域団体が出している商品やサービスとして、
広く知られている必要があります。
名前がよく知られているけれども、
特定の地域団体に
加盟していない人も使用しているような場合には、
商標登録は認められません。
そこで、「和歌山ラーメン」や「米沢ラーメン」は、
地域団体以外に、その名称を利用されていなかったことから、
地域団体商標として認められました。
これに対し、「喜多方ラーメン」は、
最高裁まで、裁判で争われましたが、
名称が有名で、喜多方の地域団体以外に、
既に、「喜多方ラーメン」として、
ラーメンを販売している業者などがいたことから、
地域団体に「喜多方ラーメン」
という名称の商標登録が認められませんでした。
同様に「札幌ラーメン」は、有名ですが、
有名過ぎて、いろいろな人が既に
「札幌ラーメン」という名称を使って
ラーメンを販売していると思われるので、
札幌の地域団体が商標登録しようとしても、
認められない可能性が高いと思われます。 |