第723回
婚外子の相続分が少ないのは違憲?
みなさんは、相続において、
普通、子供は平等に相続できることはご存じのことだと思います。
子供が3人いれば、
子供の相続分は3分の1ずつとなります。
しかし、相続のときに、
愛人の子供など婚外子の相続分が
夫婦の子供の相続分よりも少ない
ということをご存知でしたでしょうか。
そもそも、愛人の子供には
相続権はないと考えている方も多いかもしれません。
たとえ、愛人の子供でも、
子供は子供ですから、相続権はあります。
ただ、相続分は少なくなっています。
愛人の子供など、婚外子を
「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」と言います。
結婚した夫婦の子供を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」と言います。
愛人の子供など
非嫡出子の相続分は嫡出子の半分となっています。
例えば、Aさんの相続人が、
本妻の子供Xと愛人の子供Yだけだとすると、
YはXの2分の1を相続することとなるから、
相続分はXが3分の2、Yが3分の1となるのです。
これまで、最高裁も、婚姻制度を重視すれば、
この本妻の子供と愛人の子供とで相続分が違うのは、
憲法の平等権に違反しないとしてきました。
しかし、子供の立場からすると、同じ父親の子供なのに、
母親が結婚しているか、していないかで、
もらえる財産が異なるのは、
子供を差別しているのではないかということは、
問題として残っており、
また、最近は家族の在り方で、
籍を入れない男女も多いことから、
籍の入った夫婦の子供と籍を入れていない男女の子供を
分けて扱う必要はないという考え方が強くなってきています。
そこで、最高裁は、非嫡出子の相続分を
嫡出子の相続分の半分としている民法の規定を
違憲と判断するとも噂されています。
そこで、相続人に非嫡出子がいる相続のケースでは、
嫡出子の方は最高裁判決が出る前に
早めに遺産分割協議を済ませた方が良いと思われます。
逆に、非嫡出子の方は、
最高裁判決が出るまで、結論は伸ばした方が良い、
あるいは、自分で、
非嫡出子の相続分を少なくしている民法の規定は違憲だとして、
争っていく方が良いと思います。 |