第721回
NHKの受信料を5年払わないと
NHKの受信料については、
放送法という法律でテレビを購入すると、
NHKと受信契約を結ばなければならないこととなっています。
この規定の解釈について争ったり、
強制されることに反発したり、
NHKの不祥事に抗議したり、NHKは見ないなどの理由で、
NHKの受信料を拒否する方は少なくないようです。
これまで、NHKも未払受信料に対し、
あまり裁判などの法的措置を取らなかったようですが、
不払いが多くなったので、
最近は、裁判などをするケースが多くなったようです。
受信料を滞納している人は、
長期間滞納している人が多いようです。
長期間滞納していると、
そのことによって滞納している人に
メリットが生じる場合もあります。
それが、「消滅時効」という制度です。
消滅時効は、基本的に、
一定期間以上未払いの状態が続くと、
支払う義務が無くなってしまう制度です。
先日、テレビや新聞で報道されましたが、
このNHKの受信料の時効期間は、
何年かについて、NHKと受信料滞納者との間で争われました。
NHKは、一般の請求権の消滅時効期間である
10年だと主張しました。
これに対し、滞納者は、電気料の時効である2年、
そうでないとしたら、
毎月定期的にお金を支払う契約の時効期間である
5年であると主張しました。
これに対し、裁判所(旭川地裁)は、
NHKの受信料は
毎月定期的に支払う契約の時効期間である5年と判断しました。
したがって、5年以上滞納し、
訴訟も起こされなければ、
NHKの受信料の支払い義務は、
時効により免れられるということになります。
ただ、5年以内に訴訟を起こされると、
時効は中断してしまいますし、
後で支払うから待ってくれなどと、
支払い義務を認めるような話をしても、
時効は中断されることになります。 |