第563回
専業主婦が借金できなくなる
最近のニュースで、改正貸金業法が施行されて、
専業主婦が借金をできなくなる
ということが盛んに取り上げられていました。
専業主婦が借金できなくなる理由は、
貸金業法が年収の3分の1を超えてお金を貸してはいけない
ということを定めていることにあります。
年収が0の専業主婦は、その3分の1も0なので、
お金を借りられないということになります。
専業主婦だって、自由に使えるお金が欲しいから
(もちろん家計のための借金も含めてですが)、
借金できないのは困るという話も取り上げられていました。
しかし、仮に、家計のためであったとしても、
主婦が夫に黙ってお金を借りて、
夫に黙って夫の収入から返済するという状態は、
法律上守る権利なのでしょうか?と思ってしまいます。
実際、夫に内緒で借金をした主婦は、
最初は夫の収入の一部を返済に回したり、
借り増ししたりして、何とかしのぎますが、
もともと生活費が足りないから借金をしたので、
だんだんしのぎきれなくなってきます。
そして、夫にばれることを恐れて、知り合いに借りたり、
闇金から借りたりして、
苦しんだ挙句に被害を大きくしてしまう
という結果になるケースも少なくありません。
それくらい、サラ金の利息は高いし、
収入のない主婦が返済をしていくことは大変なのです。
僕個人としては、
法律が、借金の範囲を年収の3分の1までなどと規制するのは
国民の自立を妨げる甘やかしのような気がしています。
しかし、実際、弁護士として借金の整理の仕事をすると、
借金の罠に嵌り、利息の返済のために生活を送っている人、
借金のために苦しんでいる人がたくさんいるのがわかります。
それくらい、人は、借金の誘惑に弱いのです。
また、借金に困り、横領をしたり、強盗をしたり、
殺人をしたりする人もいます。
逆に、自殺をする人もいます。
それを考えると、
今回の規制はやむを得ないのかなとも思います。
実際、住宅ローンやマンション投資は別として、
返済が可能な借金の額は
年収の3分の1くらいのような気がしますが、
いかがでしょうか?
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