弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第493回
会社の倒産。社長の責任は?

会社の破産や民事再生の申立
(いわゆる「会社の倒産」)の依頼を受けるときに、
よく質問されるのが、

会社が倒産したときに、社長である代表取締役や、
取締役・監査役となっている役員は、
債権者に対し、責任を負わなければならないか


ということです。

この質問は、お金を貸したり、
売掛金があったりする債権者側からも、よく聞かれます。

会社が倒産して払ってもらえないときに、
貸金や売掛金を、役員に対し、
請求できるかというものです。

それだけ、社長や役員は、会社に対し、
責任を持つべき、あるいは、
会社が倒産して社長や役員が責任を負わないのはおかしいと、
一般の人には考えられているのかもしれません。

しかし、法律的には、会社と社長や役員は別です。
そこで、会社が倒産したからといって、
当然、社長や役員が責任を負うことにはなりません。

ここでいう会社とは株式会社のことを言っています。
株式会社は、会社の財産だけが、
債権者に対する支払の対象となります。
法的には、社長や役員の財産から、
債権者が回収することはできないのです。

では、社長や役員に会社を倒産させた責任はないのか
ということになりますが、これも基本的にはありません。
だから、会社が倒産をした場合に、
社長や役員が個人的な責任を問われることはあまりありません。

ただ、社長は、銀行など金融機関に対しては、
会社の債務について連帯保証をしているのが普通です。

そこで、会社が倒産すれば、
金融機関は、社長に対し、連帯保証債務の履行を求めます。
したがって、会社が倒産した場合、
社長も一緒に破産するというのが一般的となります。


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2009年10月1日(木)

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