第476回
年金の予定運用利回りは4.1%だが
みなさんの中には、
日経平均株価の下落やリーマンショックは
関係ないと思っている方もいるかもしれません。
まあ、HiQをご覧になっている方で、
株式や不動産などの投資をしていない人はあまりいないので、
関係ないと思っている方のほうが少ないかもしれませんね。
しかし、その関係ないと思っている方でも、
国民年金や厚生年金をかけているでしょうから、
株価とは関係ないとは言えないのです。
なぜなら、年金の一部は株で運用されているからです。
株価が下がって運用利回りが低くなれば、
年金の掛け金が高くなります。
日経新聞によれば、年金の運用利回りとして
年4.1%を予定しているけれども、
実際は、2008年までの8年間の運用平均利回りは、
0.73%だそうです。
第463回で、今の日本で、
10年とか20年の長期的な株式投資で、
平均利回り年5%で運用するのは難しいという話をしましたが、
年金の運用は、年4.1%も難しいということです。
もちろん、年金は、株式よりも安全な
国債等により運用している割合が多いので
株式だけを取ってみたら
どれくらいの利回りとなっているかはわかりません。
しかし、株式だけとすると、
利益が出ている年は利回りが大きくなるかもしれませんが、
損が出た年は利回りが
大きなマイナスとなっている可能性が大きいので、
国債等の安全資産の割合が多いので、
かろうじて0.73%の利回りが確保できたのかもしれません。
年金と言えば、少子高齢化で、
年金を支払う人よりもらう人の割合が多くなる
という問題がよく言われます。
ここ数年は、年金の記録の杜撰な管理や
箱物を無駄に使って流出してしまった
という問題が取り上げられてきました。
日本が成熟し低成長社会になってしまうと、
実は、年金自体の運用利回りが低くなってしまう
という問題もあるようです。 |